(二)

 午後の仕事は一五時に十五分の休憩があった後、一七時まで続いた。

 一七時になると、壁に取り付けられているスピーカーからチャイムが鳴った。終業の合図であった。

 ミシンに向かって作業をしている少女たちは、その音を聞くと、一斉にミシンを止めた。そして次の瞬間にはバラバラに立ち上がった。

 すると、スピーカーから女性の声が発せられた。

「まだ作業が残っています。今日作業はここに残っているものを全て完了してからです」


(続く)

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