中学生期
入学式
入学式が終わり。教室に戻り、挨拶や自己紹介を済ませて、俺は職員室に向かった。
職員室のドアが開いてたからそのまま顔を出す。
「失礼します」
「ん?君は新入生かな?迷子になった?」
返事してくれたのはジャージ姿の男性職員かな?先生?
「いえ、違います。」
「違うとなると・・何か質問でもあるのかな〜?」
「はい、この学校には野球部はありますか?」
「君、気が早いね〜、明日から説明会やら部活の紹介やらがはじまるのに。」
「はい、知っています。あるかないかを先に知っておきたいので。」
「ふ~ん、そうかそうか、あるんだとしたら、君は入部するのか?」
「はい、あるのであれば入部します。」
「そうか、君は運がいいね。遅くなったけど、私は野球部顧問某監督”片岡”だ。よろしく。」
「そう・・ですか。自分は五十嵐凛です。ピッチャー希望です。」
「おお!!ピッチャー!今年は”運”がいいね。早速何だけど、これから時間ある?」
「はい?あ、はい、時間はあります。」
「いいね~、グラウンドの場所分かるよな?体育館向かった際に見ていたはずだ。これから”軽い”テストをする。君を入れてやっと二人目のピッチャーだからな。テストの結果次第で今後の事を決めるから。あ、防具とかはこっちで準備するから。グローブは右?左?」
「分かりました。左でお願いします。」
「おっけ~、キャプテンを呼ぶから先に行っててくれ、5分後に着くと思うから。」
「分かりました、先に失礼します。」
職員室を出て、グラウンドに向かった。
「とうるるるるるん・・・・もしもし~西川起きてる~?」
「はぁ・・起きてますよ、こんな時間に何ですか先生?」
「いいね~、今から”軽い”テストするから防具持ってグラウンドに来てくれ。」
「テスト?誰の?今日は入学式で休みのはずですよ?」
「その新入生をテストするんだよ。ピッチャー希望らしいから。ちょっと西川の感想も聞きたい。」
「はぁ・・・分かりましたよ・・グラウンドでいいんですね?5分後で着きます。」
「あいよ~、待ってるよ~・・・・ガチャ」
俺はグラウンドに着いた。誰もいない・・・まぁ当たり前だけど。上着を脱いでちょっとだけ体温めよ。
5分後に先生と防具を着てる先輩が来た。
「おまたせ~、待たせてごめんね~、彼を待っていたんだ。紹介を「先生、紹介ぐらい自分でやります。」だそうだ。」
「初めまして新入生君、俺は西川美幸3年生だ。見ての通りキャッチャーだ。よろしく。」
「初めまして、五十嵐凛です。ピッチャー希望です。」
「それじゃ、テストを始めようか。あ、軽くキャッチボールしてからやる?どうする?」
「結構です。お二人さんが来るまで軽く体動かしてたので、すぐにでも大丈夫です。テストの内容は何でしょうか?」
「そうか、テストは簡単だ。私から3アウト取ればおっけー」
「分かりました、3アウトですね?」
「それでは始めようか。」
「先生、本気で振って下さい。でないと意味がないので」
「あいよ~」
俺はマウンドに向かった。先生を
「ではいきますよ。」
「来い!」
最初の1球を投げた。高めのストレートだ。当然ストライクゾーンに入ってる。ただしたたのストレートじゃない。スピンぶりぶりのやつだ。
先生は当然球に当てた。狙い通りだ。打った打球は俺に向かってワンバンして、キャッチする。これで1アウト。
「これで1アウトですね?」
「お、おう・・・」
(つーか、何て球投げるんだ!重いわ!本当に中学生投げる球かよ!?まだ12歳になったばっかりの投げる球じゃね!)
俺は再び先生を観る。構えがじゃっかん違った。同じに観えるがやっぱずれている。
狙い通りだ。次は勿論ストレートだ。今度は
「!!!」
ど真ん中過ぎて、先生は力んで打ってしまった。結果再び俺の前にワンバンして、キャッチ。
「これで2アウトですね?」
「あ、ああ・・・」
(おいおいおいおい!まじかよ!ど真ん中過ぎて、力んで打ってしまったじゃねかー!)
「・・・・」
(2球で2アウトか・・・早いな・・・これは俺必要?)
また先生を観る。さっきので力んで打ってきてくれたから。どんな球でも反応しそうだ。今度はぶりぶりのやつを低めに投げる。
先生はまた打ってしまった。狙い通りだ。また同じパターンで打った打球が再び俺のところに来た。これで3アウト。
(今度はちょっと低めに来たと思ったら重いわ!しかもめっちゃ回転してたし・・・・本当に12歳なのか?)
「これで3アウトですね?これでおっけーですか?」
「お、おう・・・たった3球だとはな・・・うん、おっけーだ!見事!中1の投げる球じゃないね!まいった!ははっはははは」
「そうですか、ありがとうございます。」
「それで今後の事だけど。君はどんなピッチャーになりたいんだ?」
「遊び球なしのピッチャーですよ。」
「遊び球なしね・・・面白いじゃねか!歓迎するよ五十嵐君!君が入部するの楽しみにしているよ。まぁ・・部活自体はまだ先だけどね。」
「ありがとうございます、これにて失礼します。お疲れ様でした。」
「おう!またな!待ってるからよ!」
テストが終わり。俺は帰った。父さんに報告した。喜んでくれた。元プロとはいえたった3球で終わらせたからな。今日はとてもいい日だった。とてもいい
軽くトレーニングし、飯やお風呂をすまし。俺は寝た。
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