第17話 真実

あれから月日が経ち、私は高校生になった。

玲も同じ高校に通っている。


「ねぇ、まゆら〜?そのペンダントずっと大事に持ってるよね?」


玲が私に聞いてきた。

ずっと気になっていたらしい。

あれから、私はウルのペンダントをお守りとして身につけていた。そうすればまた会える気がしたから。


「うーん。これは、、大事な人からのプレゼントっ!」


「えっー?!彼氏?!聞いてないぞ!!」


「彼氏じゃないよー!!いつか会う時までのお守りっ!!」


「はぁ?何それー!!意味わかるよーに説明してよぉ〜」


「あはは笑 秘密〜!!」


私は、普通の高校生活を楽しんでいた。

学校が夏休みに入り8月1日が来た。

今日は、私の16歳の誕生日だ。

昼間は、玲が仲良しメンバーで誕生日会を企画してお祝いしてくれた。

ママは、急に海外出張が入ってしまい不在だけど、パパとおばあちゃん、ひいばぁちゃんが

夜は誕生日をお祝いしてくれる予定だ。

なんとか、夜の7時には帰って来れた。


「ただいまぁ〜!!」

返事がない。

「えっ?、、パパ?おばあちゃん?」


パッパーン!!


クラッカーの音に私はびっくりした。


「まゆら〜!!誕生日おめでとう!!」


「パパ、、おばあちゃん、ひいばぁちゃん!!

もぉ〜びっくりしたー!!」


豪華な手料理に、いちごがいっぱいの誕生日ケーキ。

幸せいっぱいだった。


「お腹いっぱーい!!美味しかった!ありがとうパパっ!」


「喜んでもらえて嬉しいよ。」


「おばあちゃんたちもありがとう!なかなか会えないから今日は本当にありがとう!」


ひいばあちゃんがある箱をテーブルに出した。


「さぁ、みんな座っておくれ。」


パパ、おばあちゃん、ひいばあちゃんが私の方を改めて見て誕生日おめでとうと箱を差しだしてきた。


「これは、私たちからのプレゼントじゃよ。」


「えっ?!何?開けていいのー?」


私は、高級感あふれる箱を開けた。

その箱に入っていた物に私は驚いた。


「これって.....えっ?!」


それは、レッドスピネルの欠片が入ったペンダントの小瓶だった。


「まゆら、すまなかった。今まで知らないふりをしていて。」


パパは私に謝ってきた。


「どーゆーこと?」


「パパは、まゆらの記憶通り、1度死んでいる。

ダークアビスとの戦い全部記憶しているよ。」


「なんで....どーして早く言ってくれなかったの?!」


「まゆらちゃん、パパを責めないでやっておくれ。」

ひいばあちゃんが静かに語った。


「何から話そうかのー。月志摩家についてから話そうか。

ワシら月志摩家の人間は、代々不思議な力を持って生まれてくる。

ワシも、おばあちゃんも魔力をもっておる。

そして、まゆらちゃんのパパも。

まゆらちゃんが、生まれた時に月志摩の人間はみんな驚いたんじゃ。

とてつもない強い魔力を持った赤ん坊だったからじゃ。

まゆらちゃんのパパは、まゆらちゃんの魔力を封印してほしいとお願いしてきて、赤ん坊の時に、魔力を封印したんじゃよ。

さぁ、ここからは、直隆お前が話すんじゃ。」


パパは申し訳無い顔をしていた。


「まゆら、本当にすまなかった!!

パパが死んでしまってから、辛い思いをたくさんさせてしまって、、、

パパはあの日、レニシアに魂を吸い取られてしまい死んでしまったのだよ。

その理由は、あの時レニシアから聞かされたから覚えているだろ?

まゆらは、自分の命を犠牲にしてまでこの世界を守ろうとした。

結果的に、ダークアビスもレニシアも消滅した。本来であれば、まゆらも死んでいたんだ。

それを助けてくれたのが、スピネル騎士の4人だ。

彼らは、禁忌とされている魔法を使ってしまった。

死者を生き返らせる魔法、過去を変える魔法、

記憶を変える魔法。

そのおかげで、まゆらは生きている。

パパももう一度、やり直すことが出来た。

だが、禁忌の魔法を使った者は罰が下り消滅してしまう。だからあの時すぐに、真実を伝えられなくて、ずっと知らないふりをしていたんだ。本当にすまなかった!!」



「ウルたちは....」


「そう、、もういない。

だけど、1ヶ月前に不思議な夢を見たんだ。

マリーシャという女神が、降りてきて

4人を新たに生まれ変わらせたって、、

まゆらに真実を話すようにと、、」


「生まれ変わらせた?ってどーゆーこと!?

どこにいるの?!」


「いや、、そこまではまだ、、」


ひいばあちゃんが私の手を握ってきた。


「まゆらちゃん、あなたはマリーシャ様の生まれ変わりの特別な子なんじゃよ。

また、大変な事が起こるかもしれないけど、

それは、まゆらちゃんの宿命じゃ。受け入れるんじゃよ?」


「わかった、、、」


私は、レッドスピネルの欠片の小瓶を握りしめた。


「あっ、、欠片が1つ足りないんじゃよ、、

それを探せば、まゆらちゃんのフィアンセにもまた会えるかもしれんよ?」


「フィアンセ?.....ウルの事!?

違うよ!!ウルはそんなんじゃないから!!」


また、ウルに会えるなら頑張って探す!!

なんか色々衝撃的な真実を知った誕生日だったけど、明日から楽しみな気がしてその夜は眠れなかった。

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