第13話 信じる力

久しぶりに、ぐっすりと眠ることができ、私は夢をみた。

戦いが終わり、街が元通りになりウルや、みんなと楽しく生活している夢だ。

優しい声が私の名前を呼ぶ。


ゆら...まゆら....


私は、うっすらと目を開けた。

フレリアさんが私を起こしてくれていたのだ。

フ「まゆら、起きて。」


「あっ、、おはようございます。」


フ「ゆっくり寝れたみたいね。」


「はい。こんなにゆっくりできたの久しぶりで、ぐっすり寝れました!」


フ「よかったわ。朝食できてるから一緒に食べましょう。」


みんなで、朝食を済ませてレニシアとの戦いにむけて準備をした。


カ「よし、行くぞ。」


フ「扉を開けたら、ナイトハウスは消えてしまうわ。レニシアがもういるかもしれない。いつでも攻撃できるようにしておきましょう。」


キ「フュージョンしといた方がいいね。」


フ「まゆら、よろしくね。」


「はい!!、、遙か古の女神よ、深紅の輝きとその力を我に与えたまえリベラ ジュエル スピネル ラヴ ルージュ!!」


キ「わぁぁ!!まゆたん可愛いっ!!」


「フレリアさん、お願いします!!

レッド ジュエル ダリアーテ!!」


フレリアさんと無事にフュージョンすることができた。

扉を開けると、再び荒れ果てた街に立っていた。

妙な静けさが、私に緊張感を走らせた。

すると突然、空間が歪みだした。


「えっ、、何コレ!?」


カ「気をつけろ!!バラバラにならないようにもっとこっちへ来るんだ!!」


カイ、キルト、ルビィの方へ近寄ろうとすると、さらに空間が歪みだし3人は消えてしまった。


「カイさん!!キルト君!!ルビィー!!」

フ(まゆら、落ち着いて!!)


「....フフフ」


奇妙な笑い声が聞こえた。

声がする方を見るとレニシアがいた。


「新しい仲間と離れ離れになって残念ね...

私が倒してもいいんだけどね...

魔力が使えないアンタなんか私じゃなくても簡単に始末できるわ。

ウル!!、ダークアビス!!この娘を始末しなさい!!」


そう言うとレニシアは消えてしまった。


「ウルと戦わなきゃいけないの....」


フ(カイたち3人はおそらく、レニシア、まゆらのお母さんと戦ってるわね。

まゆら、大丈夫よ。私が一緒だからね。)


「はい!!絶対にウルを元に戻してみせる!!」


ウルが、攻撃してくる。


「よし、、ジュエル スピナ アロー!!」


なんとか攻撃を交わしたが、ウルは素早い動きで次々と攻撃を仕返してくる。


ウ「その程度の魔力で俺様に勝てると思ってるのか?」


フ(まゆら、剣を使うのよ!!)

「はいっ!!レッド ジュエル ソード!!」


赤く煌めく宝石の剣でウルに立ち向かっていく。


「お願い!!ウル!!元に戻ってっ!!

思い出して...私だよ..!!まゆらだよ!!」

フ(ダメよ...今のウルには、まゆらの声は聞こえないわ!!)


「きゃぁぁぁーっ!!」


ドンっ!!


「うっ、、、い、痛いよぉ..」

フ(まゆらっ!!大丈夫なの!?しっかりして!!)


「大丈夫ですっっ...」


ウ「これで終わりだ!!子娘がぁぁぁ!!」


ウルが剣を振りかざして、こちらに向かってくる。


「絶対に...元に戻すって決めたんだから...!!

ローズ チェーン スピネル!!

スピリ タイム ラヴティア!!」


ウルを薔薇の鎖で動けなくし、時間を止めた。


「....私に魔力が戻れば元に戻せるかもしれないのに...!!なんでっ...魔力がないのよ!!!考えなきゃ元に戻せる方法を...」


すると時間が止まってるのに、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。


「えっ、、誰?!誰なの?!」

フ(まゆら、どうしたの?!)

「私の名前を呼ぶ声が聞こえたの...」

フ(私には何も聞こえなかったわ。)


声が聞こえる方を見ると、ダークアビスから聞こえてくるような気がした。



「知ってる..この声....」


時間が止まってるはずなのにダークアビスから光が放たれてくる。


「何で...!!まだ時間が止まってるのに!!」

フ(まゆら!!気をつけて!!)


その光は、私を包み込んだ。

自分の中の何かが、壊れるような感覚がし

それと同時に、ものすごいエネルギーのような暖かいものが体の中を駆け巡っているような感覚もした。


「何...コレ??」

フ(まさか、、まゆらの魔力が解放されてる!?)


「私の魔力が?!これが私の力なの....」

フ(でも、、どうして、、、)


「フレリアさん!!私、ウルを元に戻せる気がする!!あの作戦を実行しよう!!」


フ(危険よ!!魔力は一時的なものかもしれないのよ?!カイたちがいないんじゃ...危ないわ...)


「でも....このままじゃ嫌だもん。助けられるかもしれないのに、何もしないなんて、、、

絶対にウルを元に戻すって決めたんだもん!!私、自分の力を信じてみたいの!!」


フ(.......わかったわ。実行しましょう。)


「あっ!!あと、20秒.....」


フ(時間が動きだしたら、幻想魔法をすぐ使うのよ!!)


「はいっ!!あと、、、10秒..」

フ(大丈夫。私はあなたを信じるわ。絶対に大丈夫よ。)


止まっていた時間が動きだした。


「レッド イリュージョン スピナ レクイエム!!」


フレリアさんはフュージョンを解除した。


フ「エターナルスリープル!!」


ウルは気絶した。


「ウル!!!」


フ「大丈夫、眠ってるだけよ。」


「ウル....目を覚まして...」


それは、赤く煌めく光だった。

私は自分の中に眠っていた魔力を解放した。

自分でも、どうして解放できるのかがわからなかった。

なぜか、どうしたらウルが目覚めるのかも無意識にわかっていた。

ポシェットからエンジェルリップをとった。

開かなかったはずのリップのキャップが開いた。


「お願い、私に力を貸して。ウルを目覚めさせて。」


エンジェルリップを唇に塗ると私は、ウルにキスをした。


再び赤く煌めく光が私と、ウルを包み込んだ。

すると、ウルの身体からダークスピネルの欠片がでてきた。

ウルは、ゆっくりと目を覚ました。


ウ「....まゆら...」


「ウル....!!!よかったぁぁ!!」


ウ「俺は...一体....」


フ「レニシアに操られていたのよ。」


ウ「フレリア?!お前がなぜここに....」


「フレリアさんたち、私たちを助けに来てくれたんだよ!!」


フ「カイとキルトは、別空間でレニシアと戦っているわ。」


ウ「カイたちまで....すまなかった。」


フ「何で謝るの??私たちはスピネルナイトでしょ?仲間を助けに来るのは当たり前よ。

新しい可愛いプリンセスも守らなきゃだしね。」


「ウルが元に戻ってくれて本当によかった。

私、信じてた。絶対元に戻るって!!」



ウ「あぁ。ありがとな....」


フ「敵はまだ、残ってるわ。ダークアビスを始末しなきゃね。3対1こっちが有利だわ。」


「ウル、フレリアさん、私、、、絶対にこの世界をレイディリア王国を救ってみせるね!!」

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