第11話 スピネル騎士(ナイト)

「あなた達は、一体何者なの?!」


「申し遅れました。私達はあなたを守るためめに来ました。」


3人の男女は、1人ずつ自己紹介した。


「私の名前は、フレリアよ。パープルスピネルの魔力持ち。」


フレリアは、綺麗な紫色の髪色で少し色っぽい女性だ。


「私の名はカイ。グリーンスピネルの魔力持ちだ。」


カイは、深緑の髪色をしたクールそうな男性。


「君が、新しいプリンセスの後継者?!可愛いじゃん!!ウルが惚れるわけだ〜!

あっ!僕はオレンジスピネルの魔力持ちの、

キルトだよ。よろしくね!」


キルトは、オレンジ色の瞳をした同い年くらいの男の子。


「あの...えっと.......ウルの仲間ですか?」


「アイツから全て聞いているわけじゃなさそうだな。フレリア説明してやれ。」


「わかったわ。あなたはウルに、どこまで説明されてる?」


「えっと...ウルがレイディリア王国からやってきて、ダークスピネルになってしまったレッドスピネルの欠片を私が集めて、王国とこの世界を救わなければならなくて、、私がマリーシャさんの生まれ変わりだとか....」


「他は?」


「それだけですかね、、聞いてるのは。」


「ウルったら私達の事は説明してないのね、、、私達もレイディリア王国からこの世界へやってきたのよ。」


フレリアは説明し始めた。


「レイディリア王国は、スピネル騎士(ナイト)が守っていたの。

レッド、ブルー、グリーン、パープル、オレンジ、そしてブラック。

6つそれぞれのスピネルの魔力を持つ者、それがスピネル騎士(ナイト)

1番強い魔力を持っていたのは、レッドスピネルのマリーシャよ。マリーシャはレイディリア王国のプリンセスでもあった。

ダークアビスの封印が解き放たれ、私達は王国を守るために戦ったわ。

マリーシャは自分の身を犠牲にしてダークアビスを封印し、王国は守られた。

マリーシャが消滅してしまった後の王国のプリンセス後継者は、2番目に強い魔力の持ち主ブラックスピネルの魔力を持っていたレニシアだった。

だけど、ウルはマリーシャを心から愛していたから、ずっと忘れられずにいたわ。そして、レニシアにプリンセスになるのを諦めるように言ったの。

マリーシャ以外プリンセスはいらないと。

レニシアの心は、悲しみと憎しみと嫉妬心でブラックスピネルがダークスピネルに変わってしまったの。

そしてレニシアは再び、ダークアビスの封印を解いてしまった、、、

さらに、レッドスピネルをダークスピネルに変えて、この世界にばら撒いた。

ウルは、私達に何も告げずに時空の鏡を使ってこの世界へ来たから、レニシアがダークアビスを操っていることは知らなかったけれどね、、、

レニシアがダークアビスの封印を解く前にね、レイディリア王国内では、レニシア以外の新しいプリンセスを見つけるのに必死だったの。

だけど、マリーシャほどの魔力を持つ者がいなかったわ。

ウルは、1000年後の遙か未来にマリーシャの後継者が存在すると国王様に話していたの。

それを知ったレニシアは、この世界にあなたの住んでいる街にダークスピネルの欠片をばら撒いた。あなたにプリンセスの座を取られると思ったみたいね。だからその前に、あなたを消そうとしていたの...。」


「そんな....レニシアが仲間だったなんて...」


「私達は本気でレニシアと戦うわ、、彼女を止めなければ。

まゆら、あなたの力が必要なの。一緒に戦ってくれるかしら?」


「でも......私、ウルがいないと変身できないし、レッドスピネルの欠片も全部揃ってないし、、それに魔力がないから....。」


「心配いらないわ。カイ、まゆらの魔力を解放してあげて。」


カイは、私の方を見てニコっとした。



「まっすぐ立つんだ。深呼吸して、」


「はいっ!」


「レリーズ スペルス テルレイズ....月志摩まゆらの魔力を解放したまえ。」


何も起こらなかった。


「バカな、、、!!魔力を解放できないだと?!」


「まゆら、あなた誰かに魔力を封印された記憶は?」(カイの魔法が効かないだなんて)



「わかりません....」


「仕方ないわね、、違う方法を、考えましょうか...」


「ねぇねぇ、この一つ目の可愛いやつ、目覚ましたよ?お前、名前は?!僕の相棒になる〜?」


ルビィが目を覚ました。キルトに頭をポンポンされまくっていた。


「あの...まゆら様この方々は....?」


「スピネル騎士(ナイト)の人たち...かな」


「あなたがルビィね、プリンセスと一緒にいてくれてありがとう。私はフレリアよ。」


フレリアは、ルビィに一通り説明した。



「なるほど、、、まゆら様をお守りするために王国から、、それはそれは、長旅でしたでしょう。ご苦労様です!」


私は、レイディリア王国からこの世界までどのくらい時間がかかるか疑問に思った。


「あの、、フレリアさん、レイディリア王国からこっちの世界って遠いの?」


「すぐに来れるわけじゃないから、遠いかしらね、、

こっちの未来の世界でいうとね、2年前にダークアビスとの戦いがあったの。時間軸がズレているのよ。

この世界でいうと2年前だけど、私たちにとっては、ついこの前の出来事なの。」


「2年前......」


私は、2年前というのがとても気になっていた。

パパが亡くなったのは、2年前。

周りの人たちが変わっていったのも1年ちょい前。何か関係がありそうな気がしてならなかった。


「まゆら、どうしたの?」


「あっ、、いや別に....あの!!プリンセスの後継者って私がなるわけじゃないですよね?」


「まゆら、あなたはプリンセスの後継者よ。

この世界と、古代をつなぐ新たなプリンセスなの。」


「私が......。」


「大丈夫、私達がサポートするわ。」


「僕も、サポートするからねっ!まゆたん!

ギュッー!!」


「このマセガキが!!」


「カイが殴ったぁぁ〜!!」


「ちょっと騒がしけれど、みんなで一緒に戦いましょう。ウルと、あなたの母親を必ず元に戻して、そしてレイディリア王国とこの世界を平和へ導きましょう。」


「うん....!!不安だらけだけど、頑張って元に戻そう!!」


新たな仲間達と平和を取り戻すために戦うことを誓った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る