第10話 新たな仲間

「まゆら様、風邪をひいてしまいますから屋根のある場所へ...」


「うん...」


ルビィに連れられ、雨が当たらない場所に移動した。

私は、涙をこらえきれず泣いてしまった。


「うぅっっ....ウルがぁ...どぉして..うぅッ..」


「大丈夫です!!まゆら様ならなんとかできますよ!!」


「無茶言わないでよ!!何も..できないよ..

ウルがいないと、変身できないし魔法も使えないんだよ?無理だよ.....」


「まゆら様....」


ルビィが泣いている私の前に何かを差し出してきた。

たまごサンドだった。


「お腹空きませんか?空腹だと、作戦も考えもまとまりませんから。」


「作戦...?」


「ウル様を元に戻す作戦です!きっと何か方法があるはずですよ!!一緒に考えましょう!だから、諦めないでください。」


ルビィは、私を慰めようとしてくれたのだ。


「ありがとう...ルビィ。」


私は、たまごサンドを一口食べた。


「美味しい!!」


「よかったです!元気が出る魔法をプラスしておきましたから、格別美味しいですよ。」


ルビィの元気が出る魔法の、たまごサンドを食べると不思議と前向きになっていった。

なんだかママの作ってくれた、たまごサンドを思いだした。


「そうだよね...何かウルを元に戻す方法が、あるはずだよね...!!」


しかし1時間くらい、ルビィと考えていたがウルを元に戻す方法は見つからなかった。


「レッドスピネルの欠片はまだ全部揃ってないし....」


「まゆら様、そのポシェットに何か入ってたりしないんですか?」


「コンパクトしかないと思うけど...」


ルビィに言われ、ポシェットの中に手を入れてみた。


「ん..?口紅....?」


ポシェットの中から口紅がでてきた。

しかしその口紅のキャップは開かなかった。


「何これ..硬くて開かない!!」


「一体なんのアイテムなんでしょうねその口紅は、、、」


「.....やっぱり魔力がないとダメなのかな。」


「まゆら様の魔力が戻れば、なんとかできそうなんですが、、、

ん?まゆら様!?まゆら様!!しっかり!!」


「あっ、、ごめん少し眠くなっただけ。」


ちゃんとした睡眠をとっていなかったせいか突然、睡魔が襲ってきた。


「少しお休みになられますか?」


「でも、、」


「敵は、すぐには襲ってこないでしょう。」


ルビィはそう言うと、フカフカのベッドに変身した。


「ルビィ....そんな事もできちゃうの?!」


「はい!これなら敵が襲ってきても大丈夫でしょう。私は眠る習性がないので、見張ってますからゆっくり寝てください。」


「ありがとう...ルビィ」


私は、少し眠る事にした。

夢の中くらいは、平和であってほしいと思いながらすぐに寝てしまった。


   --------------夢の中-----------------


「まゆら、私の生まれ変わりの月志摩まゆら.....」


霧の奥から綺麗な女の人が現れた。


「あなたは、誰...?」


「私は、マリーシャよ。」


「あなたが、マリーシャさん?」


「今のあなたには魔力がないわ。でも助けてくれる仲間がきっとかけつけてくれる。

あなたならウルを元に戻してくれると、王国も、この世界も救ってくれると私は信じています。」


「私にそんな事できないよ、、」


「大丈夫、自分を信じて。」


「でも........」


「エンジェルリップは信じる心が大切よ。

天使の導きが邪悪な心を解かしてくれる。」


「あっ、、!待って!!マリーシャさん、聞きたいことが!!」


マリーシャは光の中に消えていった。


-------------------------------------------


どれくらい眠ったのだろうか、目覚めると辺りは相変わらず薄暗くどんよりしていた。


「まゆら様、お目覚めですか?」


「ルビィありがとう。どれくらい眠ってたのかな?」


「あれから5時間くらいは経ちましたよ。」


「けっこう寝れたから元気になったよ。

ルビィ、、夢にね、、」


ルビィに夢でマリーシャに会ったことを話そうとした瞬間、大きな地響きが起こった。


「敵が仕掛けてきましたね。」


「どうしよ.........。」


「まゆら様、とりあえず逃げましょう!!」


ルビィと、その場から逃げようとした時レニシアが現れた。


「フフフ、逃げられないわよ。あなたの敵はこの2人よ。さぁ、どうする?」


「ウル.....!!えっ.......ママ?!」


2人の敵とはウルと、旅行でこの街にいないはずのママだった。


「どうして、、ママまで操られてたの?!」


「さぁ2人とも、月志摩まゆらを攻撃するのよ」


「はい、レニシア様。」


ウルとママは、私に手加減なしで攻撃してきた。


「キャァァァァァァー!!」


「まゆら様!!まゆら様になんてことを!!

眼魔力!!!」


「その程度の力で倒せるとでも?」


「眼魔力が効かない....」


「ルビィ!!危ない!!逃げて!」


「うッッ!!うわぁぁぁぁぁー!!」


「ルビィっー!!しっかりして!!」


ルビィは攻撃され倒れてしまった。


「お願い...もうやめて。ウル、ママ元に戻ってよ!私だよ?まゆらだよ?思い出してよ!」


「フフフ、、、そいつらにもう声は届かない。魔力を持たないお前が、私に叶うはずないだろ?プリンセスの座はこの私だ!!

お前に後継者の座は渡さない!!」



「何言ってるの?後継者って、、、私知らないよ!!レニシアさん、お願いだからウルとママを元に戻して!!」


「その瞳で私を見るな!!!憎きあの女を思いだす....!!さぁ、2人とも月志摩まゆらを攻撃しろー!!」


ウルとママは、私に攻撃しようと向かってくる。


「いやぁぁ、、、やめてぇぇー!!」


次の瞬間3つの光が私の前に現れた。

その光は、紫、緑、オレンジ。

その光は私を守ってくれ、3人の男女が目の前に立っていた。


男1: 「間一髪、間に合ったな。」


女: 「遅くなってごめんなさいね。」


男2: 「僕たちが来たからもう大丈夫だよ!」


「あなた達は....誰..」


女: 「私たちは、あなたを守りにきたの。」


私は、夢の中でマリーシャが言っていた事を思いだした。


「あっ!助けてくれる..仲間...?」


女 : 「レシニア、私たちは本気であなたと戦うわ」


「ほう...貴様ら、まだ生きてたとは....ダークバリアを壊し、ここまで来れたことは褒めてやろう。

次に戦う時は、貴様らも全て消去してやるから覚悟しておけ!!」


レニシアは、ウルとママと共にまた消えてしまった。


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