第9話 悪夢のはじまり
突然、雷が鳴りだし強い雨が降ってきた。
雨に濡れた瞬間、変身が解けてしまった。
ウルも、カラスではなく元の姿に戻ってしまっていた。
「ウル、、変身が解けちゃったよ、、」
私はもう一度変身しようとコンパクトを取り出した。
「遙か古の女神よ、深紅の輝きとその力を我に与えたまえ!リベラ ジュエル スピネルラヴルージュ!」
しかし、変身出来なかった。
「え、、、変身できない??ウル、、」
「なぜだ...!!一体...何が起こってるんだ」
ウルにも変身できない理由はわからないみたいだった。
ピカッ!!ゴロゴロゴロゴロ....ドォォーン!!
すごい雷鳴が鳴り響き、稲妻が光った瞬間
黒髪の女の人が現れた。
「君は、、」
ウルは、その女の人を知っているようだった。
「レニシア、、なぜ君がここにいるんだ?」
女の人は不敵な笑みを浮かべ、こちらに向かってくる。
「フフフ...私の事覚えていて下さったのね..
ウル様。」
「レニシア....まさか君の仕業なのか..?!」
「ウル様が、いけないのですよ.....
いつまでも、あの女の事を忘れないから...
でも、もうウル様は、私の物よ。私だけのプリンス」
「レニシア!!何を企んでいる?!」
「ウル様、そんな怖い顔しないで...
ブラック インキュバスティレム....」
レニシアは、ウルをじっと見つめ呪文を唱えた。
ウルは気絶して倒れてしまった。
「ウル!!!どうしたの!!?大丈夫!!
ねぇ、、ウル!!」
私はウルの名前を呼び続けたが目を覚まさなかった。
レニシアは私の方を睨みながらまた不敵な笑みを浮かべ話し始めた。
「私がなぜ、ダークアビスの封印を解いたかわかる?
わからないわよね...
教えてあげるわ。
私は、ウル様を愛していたの。あの女よりもずっとずっと前から。
あの女が、ダークアビスを封印しレイディリア王国は守られたわ。
そしてあの女は、、マリーシャは消滅した。
嬉しかったわ...邪魔者がいなくなってくれて。マリーシャがいなくなった後のプリンセスの後継者候補は私だったの。
だけど、、、ウル様は断ったわ。
プリンセスはマリーシャだけだと言って。
そんなウル様も、マリーシャも心から憎かった。
私の思い通りにならないなら、ウル様が私の物にならないのならば、王国なんて滅んでしまえばいいと思ったわ。
だからダークアビスの封印を解いたの。
その時、偶然時空の鏡が開いていてね、、、あなたの姿が映っていたのよ...月志摩まゆら
私も、ブラックスピネルの魔力持ちですもの、あなたがマリーシャの生まれ変わりだってことくらいすぐに気づいたわ。
だから、あなたも邪魔だったの。
マリーシャに関係するすべての者は、消えて欲しかったのよ。
だからあなたの大事なお友達や周りを巻き込んで、あなたが消えるように仕向けたんだけど、、、ダメだったみたい。」
「だからって、なんでなウルまで!!愛しているなら、、なんで....」
「ウル様は、気絶してるだけよ。目を覚ましたら私の物になるわ。」
「何それ...ウルはあなたの思い通りになんか絶対にならないよ!!」
ウルが目を覚ました。
「ウル!!ウル、、!!よかったぁ」
次の瞬間ウルは私を、強く突き飛ばした。
「キャァぁ!!」
「だ、大丈夫ですか?!まゆら様!!」
ルビィがクッション変わりになってくれて
強く突き飛ばされたが、どこも痛くはなかった。
「ウル様....まゆら様になんてことを!!」
ウルはまるで別人のような目つきだった。
「フフフ..ウル..私の元へ。」
「はい、レニシア様。」
ウルは、レニシアに操られてしまったのだった。
「嘘...ウルが、、そんな..」
「今すぐに、あなたを始末することも可能だけどね、、もう少し生かしておいてあげる。
ウル様がいないと戦えないんでしょ?
さぁ、どうするの?」
「...........。」
「フフフ、いいわ今日はこの辺にしといてあげる。」
ウルはレニシアと共に消えてしまった。
私は、ボー然と立ちつくしていた。
レニシアの言うとおりウルがいなければ戦えない。
降り続ける雨に打たれ、心も身体もボロボロになってしまった。
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