第3話 14歳、魔法少女になる
一通り説明したウルは、ポシェットをまゆらに渡した。
「このポシェットから、ジュエルコンパクトを取り出せ。」
「ジュエル..コンパクト??」
「いきなり戦えって言われても無理だろ?
シュミレーションだ。」
ポシェットの中身は、なんだか異次元空間のようになっていて、変な感じだ。
ウルに言われた通りにコンパクトを取り出した。
「コレ...??」
「そうだ、開けてみろ。」
私は、コンパクトを開いた。
中身は赤色で、キラキラ輝いているものが敷き詰められていた。
「コレって何なの、、?」
「赤のジュエリーを砕いた欠片のコンパクトだ。
ガーネット、ルビー、それからスピネルと3つ混ざっている。」
「へぇ....綺麗。」
私は美しく輝く、赤のジュエリーに見惚れていた。
なんだか最初は、怖いと感じていたが、少しワクワクしてきた。
「俺が今から言う言葉を繰り返せ。」
「うん、、!!」
ウルは、不思議な呪文を唱えた。
私も繰り返して唱えた。
「遙か古の女神よ深紅の輝きとその力を我に与えたまえ
リベラ ジュエル スピネルラヴルージュ」
すると、赤い温かな光が私を包み、着ていた服が、赤色の服に変わっていった。
「え、、、何?!この服?!
わぁー!!!髪も長く伸びてる!!」
胸元に緑色のリボンが付いた、赤色のワンピース?のような可愛い服に、薔薇の飾りがついた赤色のショートブーツ、ブーツには黒い羽根がついている。
肩までだった、ツインテールの髪は、長く伸びていた。
「ウル!!コレ、なんか可愛い服だね!!」
着たことのない、珍しい可愛い衣装に私は、大興奮だった。
「魔法少女の誕生だな。」
「これで、魔法が使えるの?!」
「お前には、魔力がないからそのままでは何にもできないぞ」
「じゃぁどうするの?」
「リボンを見てみろ」
ウルに言われ、胸元のリボンを見てみると
リボンの中央に、ウルがしていたペンダントが付いていた。
「あれ??これ....ウルのペンダント....?」
「俺がしているペンダントは、ブローチに変化するんだ。まゆらには、まだ魔力がないから、俺と一緒に魔法を使って戦うようになる。
コンパクトを開いて、また俺が言う呪文を繰り返して唱えるんだ。」
「わかった!!」
ウルが言った呪文を繰り返して唱えた。
「レッド ジュエル ダリアーテ!!」
また赤い光が身体を包み込んだ。
イヤリング、ペンダント、指輪、ブレスレット、赤色のアクセサリーが身につけられていく。
「なんか!!!ゴージャスになった!!
ねぇ!ウル!!....あ、、れ?」
ウルの姿が見えなくなった。
「ウル?どこ行ったの?」
「ここだ。」
「えっ?、、、どこ!?」
声は聞こえるが、姿は見えない。
「ブローチの中だ。」
リボンの中央の、ブローチの中にウルはいたのだ。
「俺がブローチの中に入ることで、魔法が使えるようになる。
戦う時は、この状態で一緒に戦うから安心しろ。」
「へぇーなんか、、、すごーい!!」
「ペンダント、指輪、イヤリング、ブレスレットが、魔法攻撃できるアイテムだ。」
「魔法、、攻撃??」
「ダークアビスと戦う時に、その4つのアイテムで攻撃できる。」
「魔法って、、なんか思ってたのと違うんだねー。」
私は勝手に童話などにでてくる魔法使いをイメージしていた。
「まゆら自身に魔力が戻れば、普通に魔法は使えるようになる。
ただ、今は魔力が無いから、そのアイテムたちを使って敵を攻撃することしかできない。」
「このアイテムをどうやって使うの?」
ウルは、アイテムの説明をしてくれた。
「まずイヤリングは、ジュエル スピナ アローと唱えるんだ。
赤色の宝石が、矢に変わり相手を攻撃できる。
ペンダントは、レッド ジュエル ソード
と唱えると、赤色の宝石の剣に変わる。」
「剣に変わる?!私、運動神経悪いし、、剣とか使えないよ、、、、」
「大丈夫だ。変身している間は、素早く動けて剣を扱ったことがない奴でも使いこなせる。」
「そうなんだ、、、この指輪と、ブレスレットはどう使うの?」
「指輪とブレスレットは、それぞれ2つの攻撃ができる。
指輪は、スピリ タイム ラヴティアと唱えると時間を3分止めることができる。
もう1つは、ネビアント ペタル ジュエルローズと唱えると、指輪が開き薔薇の花びらで気絶させる魔法だ。
ブレスレットは、ローズ チェーン スピネルと唱えると、薔薇の鎖で敵を動けなくする。
それと、幻想をみせる魔法。
レッド イリュージョン スピナレクイエム
と唱えると、ブレスレットが開き、相手に幻想をみせて油断させることができる。」
「全部、呪文覚えられるかな、、、」
「さっきも言った通り、俺と一緒に戦うから安心しろ。危険だと感じた時は、俺が守る。」
「う...うん。」
「何か、わからないことはあるか?」
「うーん...と、、あっ!このブーツの羽は何?」
「説明し忘れてたな。その羽で飛ぶことができるんだ。それと攻撃する時の、薔薇の花は全て宝石で出来た薔薇だ。
ブーツに付いている薔薇も宝石で出来きている。」
「なんか、、、本当にすごい!!
最初、少し怖かったけどなんかワクワクしてきた!!」
「昨日より、元気になったみたいだな。」
「えっ...?」
「昨日、死のうとしてただろ。」
「あ......うん。なんか、自分の人生嫌になっちゃって、これからも、こんな日々なのかなって思たら....。」
「まゆらの事は、俺がこっちの世界に来る間に調べさせてもらった。
母親と、昨日まゆらを、プールから突き落とした奴はもしかすると、ダークアビスと関係があるのかもしれない.....。」
「えっ!?どうゆう事?!」
「ダークアビスは、ダークスピネルを使って人の心を操ることができるんだ。」
「ママと、玲はダークアビスに操られているって事なの?!」
「まだわからない。ダークアビスに操られていれば、ダークスピネルのオーラが出ているからすぐに分かるはずだ。
とりあえず、変身することを覚えたし、、玲って奴を調べてみよう。」
「やだな、、、玲に直接会うのは。」
「大丈夫だ。直接会わなくても魔法でなんとかなる。」
「玲に見つかって、何もされないといいけど...。」
また、少しだけ胃痛がしてきた。
「心配するな!何かされた時は、俺が助けてやる。俺が守ってやる!!」
「........あっ、、ありがと。」
(な、、なんでカラスの言葉に私、、ドキドキしてるんだろ....!!)
14歳の誕生日、いつもとは違う誕生日になり私は、魔法少女となった。
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