第421話 すねを狙うヘビ

「むむっ、この本はでゴザル!?」


「何か見つけたのか?」


「これに食べ物のことが書いてある気がするでゴザル!」


 プリーディさんが『スネェクゥガ・エール攻略本』というタイトルの本を掲げながら、そう言った。


 スネークガエル?

 蛇ガエル?


 妙な名前だなぁ。


「食べ物キュ!? なら、読んでみようキュ!」


 プリーディさんが本を読み始めた。



「ここには『スネェクゥガ・エール』という美味しいミョガガベがいるらしいでゴザル!!」


「なら、るしかないキュ!」


「ええっ、スネェクゥガ・エールを倒しに行くのチセ!?」


「知ってるのか、チーセハヒ?」


「強力で、美味しいミョガガベとして有名なのよチセ!」


「強力なのか…… どんなことをしてくるんだろうな?」


「『すねに命中すると激痛が走る、このような形状の特殊能力を使用してくる』と書いてあるでゴザル」


 このような形状?

 挿絵があるのかな?


「どんなヤツなんだ?」


「これでゴザル」


 本には、ヘビのようなものが描かれていた。


 これをすねにぶつけると痛いのか。


 なんでこんな形なのだろうか?


「こ、これは『すね』に『ーク』をぶつけてくるという高度なダジャレざます!!」


「くだらなさすぎる!?」



「どうやら、この特殊能力で隙を作って、攻撃をしてくるミョガガベみたいでゴザル」


「しかも、すね当てをしていても防げないって、聞いたことがあるわよチセ」


「そうなのか。なら、マモリさんのモザイクは、どうなんだろうな?」


「すね当てじゃないから、防げるに決まっているキュ!」


「これは勝ったなでゴザル!」


 そうだと良いけどな。



「ところで、スネェクゥガ・エールって、どんな姿なんだ?」


「これでゴザル」


 本には、イノシシの背の上に鶏が乗っているような挿絵が載っていた。


 これがスネェクゥガ・エールなのか。


 スネークでもカエルでもないな。


 まあ、どうでもいいけど。



「こいつはどこにいるんだ?」


「この大陸の森に生息しているらしいわよチセ」


「そうなのか。なら、ここの探索が終わったら行ってみようか」


「そうするでゴザル!」


「たくさんって、たくさん食べるキュ!」



「無事な本を集め終えたよジナ」


「では、他の場所に行こうか」



「ここが食料品店よジナ」


「何か残っているか探してみようか」


「そうねッピ」



「何も見つからないな」


「ミョガガベが食べたんじゃないのニャ?」


「その可能性が高そうねチセ」


「どうやら補充はできなさそうねッピ」


「ああ、他の場所に行こう」



「ここがラエガリーガ教の神殿だよエガリ」


「ここも破壊されているな」


「そうだねエガリ」


 周囲には、割れた白い大理石のような石材が大量に落ちている。


「ラエちゃん、見るだけで良いのか?」


「何か残ってないか、探してみて良いかなエガリ?」


「ああ、良いよ。探してみよう」



「ん? これはエガリ?」


「何かあったのか?」


「女性が刺繍ししゅうしてある、ハンカチみたいな白い布が落ちていたよエガリ」


「それは『女神ラエガリーガハンカチ』よジナ」


「私のハンカチエガリ? なんなの、それはエガリ?」


「女神ラエガリーガグッズのひとつよチセ」


「なんなの、それはエガリ!?」


「名前の通り、女神ラエガリーガの描いてある小物類よチセ。神殿とかで売っているわよチセ」


「ラエちゃんが許可を出して作っているわけではないのか?」


「出した覚えはないよエガリ!」


「なら、信者が勝手に作ったのか」


「私で変な商売するなんて、ケンリョみたいな信者だなエガリ!」



「こんなのあったッスよ!」


 トーリさんが白いマグカップのようなものを掲げながら、やって来た。


「それは『女神ラエガリーガマグカップ』よチセ。女神ラエガリーガグッズのひとつねチセ」


「ああ、確かにハンカチに描かれていた女性が描かれているな」



「このようなものを見つけましたのっ」


 ゼーランさんがTシャツを持って来た。


 ハンカチに描かれていた女性が、中央に大きく描かれている。


「それは『女神ラエガリーガTシャツ』ねチセ」



「ほぅほぅ、こんなものを見つけたよ」


 リィホさんが白い布製の手提げ袋を持って来た。


 これの中央にも、ハンカチに描かれていた女性が描かれている。


「それは『女神ラエガリーガバッグ』ねチセ」



「こんなものを見つけたのだよ」


 レーアさんがぬいぐるみのようなものと、デフォルメされたフィギュアのようなものを持って来た。


「それは『女神ラエガリーガぬいぐるみ』と『ミニ女神ラエガリーガちゃんフィギュア』ねチセ」


 そんなのもあるのか。



「いろいろ見つけたのじゃ~」


 キィリさんが何かを持って来た。


「それは『女神ラエガリーガパーカー』『女神ラエガリーガカード』『女神ラエガリーガ帽子』『女神ラエガリーガ財布』ねチセ」


「そんなのまであるのエガリ!? いくらなんでもありすぎでしょエガリ!?」


「他にも『女神ラエガリーガパジャマ』『女神ラエガリーガパンツ』『女神ラエガリーガタオル』『女神ラエガリーガポスター』『女神ラエガリーガ布団カバー』『女神ラエガリーガシーツ』『女神ラエガリーガ抱き枕』などがあるわよチセ」


「作りすぎでしょエガリ!? 女神をなんだと思っているんだよエガリ!?」


 アイドルだと思われているんじゃないか?

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