第100話 美女をなめたら美女が出る!?
「ところで、リザァカさん、ステータスは強化されたのですか?」
「ステータストッピングは成功したような気がしますミャン」
「では、ステーさん、何か変わったところはない…… うっ!?」
「ヒモノさん、どうかしましたかミャン!?」
「今、体から何かが抜け出たような……」
あれは聖剣やステータス令嬢を出した時の感覚に似ていたな。
「ヒモノさん、突然女性が現れたでヤンス!」
レデベールさんが指差しながら、そう言った。
そこには、三人の美女がいた。
艶のある赤い長髪。
長身でスタイルは非常に良い。
赤い警察官の制服のような格好をしている。
艶のある黒髪を巻いてまとめて、旅館の女将さんのような髪型にしている。
身長は普通くらい。
出るところは出ている素晴らしいスタイル。
白い着物姿。
柔らかい笑みを浮かべた優しそうな感じ。
ボリュームが出るようにまとめられた茶色の髪。
身長は高めでスタイルは抜群。
高級そうな金色のスーツ、黒いシャツ、金色のネクタイ、黒い革靴を着用している。
宝石の付いた指輪やネックレスなどのアクセサリーを大量の身に着けている。
イヤらしく笑っている、品がなさそう。
このような姿をしている。
彼女たちは何者なんだ!?
「ヒモノ、あいつらはステータス令嬢だ」
「えっ!? 本当なのか!?」
「いかにも、我は善のステータス令嬢である!」
警察官のような美女がそう言った。
「ワタクシは性力のステータス令嬢でございます」
着物の美女がそう言った。
「我輩は欲のステータス令嬢でげすぜ」
金色のスーツの美女がそう言った。
「そうだったのか。では、自己紹介をしようか。初めまして、俺が君たちを出した
「よろしくである。では、ヒモノよ、さっそく悪を退治しに行くのである!」
善のステータス令嬢がそう言った。
「悪?」
「うむ、この奥に悪がいるのである。さあ、ゆくぞ、善は急げなのである!」
あれ?
なんだか悪を倒さなければいけないような気がしてきたぞ……
なんでだ?
いや、そんなの当然か。
善行をするのは当然だよな……
「ああ、行こう! 善は急げだ! みんな行くぞ! 悪を倒すんだ!!」
「おい、おっさん、何言ってんだ!?」
「ヒモノさん、お待ちくださいでございます」
性力のステータス令嬢が話しかけてきた。
「どうしたんだ? 早く悪を倒さないと!」
「いいえ、その前に生物の本懐を遂げなければいけませんでございます」
「本懐? それはなんだ?」
「無論、生殖活動でございます」
「えっ?」
「さあ、ヒモノさん、ここにいるすべての雌に、雄としてなすべきことを成すのでございます!」
何を言っているんだ?
そんなことをしている場合ではない……
いや、やらなければいけないな……
生物として、雄として、それを成すのは当然のことだ……
親父とおふくろに孫を見せてやらないと……
「さあ、みんな生殖活動をするぞ!」
「えっ、ヒモノさん、子供を作る気になったのッピ!?」
「なら、私が相手になるでヤンス!」
「いいえ、ここは私が相手になるわッスわ!」
「セレンさん、洗浄するのです!」
「分かりました! 徹底洗浄を開始します!」
「「「ああああああああああああああっ!!!」」」
セレンさんにぶっかけられた。
あれ?
なんだか頭がスッキリしたな。
まあ、洗浄されたから当然だろうけど。
「おい、ヒモノ、話があるでげすぜ」
欲のステータス令嬢が話しかけてきた。
「話? なんだ?」
「お前さん、現状で満足でげすか?」
「えっ? うーん、まあ、不満な点はあるぞ。それがどうかしたのか?」
「なら、そいつを解消しようでげすぜ! すべてを手に入れてなでげすぜ!」
何を言っているんだ、こいつは?
なんでそんなことをしなければ……
いや、それは当然か……
欲しいものはすべて手に入れないと……
「ああ、そうだな! すべてを手に入れよう!」
「そうでげすぜ! この世にあるものは、すべて我輩たちのものでげすぜ! 砂のひと粒であっても、取り逃しちゃいけないでげすぜ!」
「ああ、その通りだ! 全部手に入れよう!」
「セレンさん、やってしまうのです!」
「了解しました! 洗浄します!」
またぶっかけられた。
「これはいったいなんなんだ!?」
「どうやら新入りたちには、ヒモノさんの思考を誘導する能力があるようなのです」
「人聞きの悪いことを言うなである! 我は善行をしているだけである!」
「ワタクシも生物として当然の行動を取っているだけでございます」
「我輩も欲しいものを手に入れようとしているだけでげすぜ」
こいつら面倒くさいな!?
「さあ、ヒモノよ! 善を成しに行くのである!」
「さあ、ヒモノさん、生物として生殖活動でございます!」
「さあ、ヒモノ、欲しいものをすべて手に入れようでげすぜ!」
「ああ、その通りだな! よし、やるぞ!」
「セレンさん、お願いなのです!」
「了解しました! 洗浄します!」
またまた洗浄された。
「これはマズいって。行動に支障が出すぎだろ。どうすれば良いんだ?」
「生殖活動を終えれば、ひとりは大人しくなりそうねッスわ。さあ、ヒモノさん、私と生殖活動をしましょうッスわ!」
「それはあり得ませんでございます。その場合は、次の雌を探しに行きますでございます。それが生殖活動でございます」
えええええっ!?
何言ってんだ、こいつ!?
「あなた、ヒモノさんに浮気し続けろと言うのッピ!」
「それはダメでしょでヤンス!?」
「何がダメなのでございますか?」
「そんなことをしていたら、いつか刺されるわよニャ!?」
「子孫が残っているなら、問題ありませんでございます」
「問題だらけだろ!? 勘弁してくれよ!?」
というか、子供を育てろよ!?
もしかして、こいつは人間の子育てを理解していないのか!?
「おっさん、あいつらを引っ込めれば良いんじゃねぇか?」
「えっ、ステータス令嬢にそんなことできたっけ? どうなんだ、ステーさん?」
「可能だ。私や聖剣と同じ要領で消すことができる」
「なら、やってみるか」
俺は善、性力、欲のステータス令嬢消えろと思ってみた。
すると、三人が消えた。
やったか!?
な、なんだと!?
三人とも、すぐさま現れやがったぞ!?
「おい、こら、なんで出て来てんだよっ!?」
「善である我が消えるわけないのである!」
「ヒモノさんは、まだ若いので性力も消えませんでございます」
「生きている限り、欲は消えないでげすぜ!」
「どういうことだよっ!?」
「わたくしの電球が、こいつらには『一度出した後は勝手に出て来れるようになる能力』があると言っているのです」
「その通りである!」
「その通りでございます」
「その通りでげすぜ!」
えええええっ!?
なんて迷惑なヤツらなんだ!?
大人しく引っ込んでてくれよ!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます