第96話 欲しいものは当然……
「ヒモノさんは何が欲しいのッピ?」
「見たことないものって、いったいなんなのニャ?」
「あっ、まさか私のでヤンス!?」
「もしかして、私のッスわ!?」
「不潔な思考を感知しました! 洗浄します!」
「「きゃああああああああああああっ!!!」」
「何をやっているんだよ……」
「ふっふっふっ、みんなヒモノの欲しているものが気になるみたいざますね!」
またユモアの声が聞こえてきた。
「あなた知っているのッピ?」
「教えなさいよニャ!」
「仕方ないざますね! 教えてあげるざます!」
「なんでゴザル?」
「それはなんと、なんとぉぉぉっ!!」
「もったいぶらずに、早く教えなさいよニャ!」
「なんと私ちゃんざます! さすが私ちゃん、モテるざますね!!」
「まだ女が欲しいのか、ヒモノ!?」
「ヒモノさん、また浮気なのですか!?」
「あきれた女好きッスね!」
「ヒモノさん、ワタクシという者がありながら、またなのッピ!?」
「ヒモノ、いい加減にしなさいよニャ!?」
「さすが強者でゴザル!」
「そろそろ対策を考えた方が良いでヤンス!」
「うふふふふ、とっても元気なのね」
「さすが社長ですね!」
「ヒモノ様は攻めるのがお好きなのですね! 素晴らしいですわ!!」
「もうここまでくると、一周回って感心するわねッスわ」
「違う!? そうじゃない!? ユモアを出さなければ世界が滅ぶからだぞ!?」
「照れなくて良いざますよ」
「うるさいっての!? 誤解を解けよ!?」
「それじゃあ、がんばるざます」
「おい、こら、逃げんな!? みんなをどうにかしろよ!?」
クソッタレが!
その後、がんばって弁解した。
みんな納得したようなしてないような感じだった。
さて、後始末をするか。
カゴのエクスレトとステータスウィンドウせんべいを発見した。
カゴのレベルは二千億なのか。
ステータスの数値は、素早さが高い。
残りはどれも同じくらいだな。
特殊能力は『餌をおびき寄せる幻覚を出す能力』と『体のどこかに触手を出す能力! おひとり様三本までです!』と『カゴの大きさを変更する能力』と『つっかえ棒を出す能力』と『空を飛べる能力』か。
こいつは触手を出せて、飛ぶカゴなのか。
不気味なヤツだな。
エクスレトを取り込んだ。
「こいつは面白かったから採用ざます」
「えっ!?」
「ヒモノ、特殊能力が身に付いたぞ」
「ああ、そのようだな。なんという能力なんだ?」
「『トラッカゴを出す能力』となっている」
「トラッカゴ?」
「あいつは名前がなかったから付けておいたざます」
「そうなのか。わざわざありがとう」
トラップのカゴという意味なのかな?
「では、出してみようか」
トラッカゴが出て来た。
あれ?
先程よりかなり小さいな。
直径三〇センチくらい、高さ二〇センチくらいしかないぞ。
材質は変わらないけどな。
もしかして、これが元の大きさなのかな?
では、話しかけてみるか。
「初めまして、俺が君を出した
「どうも、初めまして、僕はトラッカゴだよカゴッ。よろしくカゴッ」
名前を認識している?
ユモアが教えたのかな?
まあ、いいか。
他のみんなも自己紹介をした。
トラッカゴに、身に付けている特殊能力を聞いてみた。
ステータスウィンドウせんべいに記載されていたものと同じだった。
「ちょっと能力を見せてくれないか?」
「良いよカゴッ」
「まずは触手を見せてくれ」
トラッカゴの側面から、タコのような吸盤の付いた紫色の触手が三本現れた。
これはなかなか不気味だな。
触手の長さと太さは、ある程度変更できるらしい。
長さは五センチから六メートルくらい、太さは一センチから五〇センチくらいになるみたいだ。
「ヒモノさんが、あの触手で私をでヤンス!?」
「ヒモノさん、イヤらしいッスわ!」
「お前らは何を言っているんだ!?」
「愚かですね。洗浄しておきましょう」
「「きゃああああああああああああっ!!!」」
不潔なメイドたちはぶっかけられた。
他の能力も見せてもらった。
カゴの大きさを変更する能力は、トラッカゴの大きさを直径十センチから、十メートルくらいまで巨大化できる能力だった。
特殊能力すごいな。
つっかえ棒を出す能力は、長さ十数センチの小枝から、数メートルの丸太まで出せるような能力だった。
触手で持ち上げて、殴ることもできるらしい。
ただし、数は一本しか出せないそうだ。
空を飛べる能力は、名前通りのものだった。
ただ、あまり速くは飛べないそうだ。
このままでは俺たちの旅に付いて来れないので、鳥類になる特訓を受けてもらった。
トラッカゴは立派な鳥類になった。
「このミョガガベも食べられそうでゴザル!」
「なら、食べるキュ!」
えっ、それ食べられるのか!?
「では、料理しますね」
「リリィお姉さん、よろしくキュ!」
リリィさんがチェーンソーとダンボール箱を取り出し、料理し始めた。
「完成しました。どうぞ」
リリィさんが皿を調理台の上に並べた。
そこには、角型に切られたカゴが載せられていた。
「リリィさん、これはなんだ?」
「カゴを切って、軽く焼いたものです」
「そうなのか」
それは食べられるのだろうか?
「食べてみるキュ!」
「いただくでゴザル!」
キュキュとプリーディさんがカゴを食べた。
「美味しいキュ!」
「サクッとしていて、甘くて美味しいでゴザル!」
カゴなのに、そんな味がするのか!?
では、俺も食べてみようか。
いただきます。
なんだこれは!?
イチゴが混ぜ込まれたクッキーみたいな味だな!?
なんでこんな味がするんだ!?
よく分からんなぁ。
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