第六章裏話

 今回紹介する三人は、いずれも初期プロットにはいないキャラクターです。当初の想定よりもストーリーが膨らんでいったため、その追加された部分の案内役として登場してもらいました。




・絵馬 (えま)


 原案『オー・ソレ・ミオ』に登場する有翼族の少女エマ・フィルポッツを前身としますが、外見上の年齢以外はほぼ別キャラです。

 草稿の段階でカミーユにあった「動揺すると訛る」という没設定が、カウンターキャラであるこの絵馬へと引き継がれています。

 試行錯誤の末カミーユが北関東のヤンキーみたいな喋り方になったから、というわけではありませんが、絵馬は南東北っぽい訛りになりました。




・無憂 (むう)


 とくに雛型となったキャラクターはいませんが、修験者っぽい名前を過去の別作品 (密教系秘密結社との能力バトルもの)の登場人物から流用しています。

 法具の独鈷杵は両刃槍、五鈷杵は直剣、作中で未登場の三鈷杵は三叉槍にそれぞれ変形する設定です。

 仮のつもりで命名した〈金剛伐折羅 (こんごうばさら)〉は直訳すると「電撃ライトニング」的なトートロジーなのですが、語呂が良いのでそのまま採用しました。




 第四章で天狗に関する献慈たちの雑談がありますが、あの時点では単なる世界観説明の一環のつもりでした。絵馬たちの登場はそれが意図せず伏線として機能した形になります。


 同様に、第三章で触れていたエルフも満を持しての登場でした。




・スピロギュリア


 ピロ子は両児の元妻として設定だけがあったキャラクターでした。ストーリー拡張で舞台が西へ移ったことで登場の機会を得ます。

 片言な理由はエルフ語訛りが残っているためです。『相案明伝』の術式はエルフ語起源のCMLで綴られているので、干渉を起こし翻訳が不完全となってしまうのです。




 そんなピロ子が女将を務めるのが、献慈たちの新たな拠点となるゆめみかんです。


 人数が多いので割愛しますが、食事シーン (ラーメンの件)でサラッと出てきた食客たちにも、一人ひとり名前や設定が付いています。

 頭巾を被った鳥類っぽい女性はキキーモラという妖精です。増築資材に紛れて運ばれて来たところを保護され、現在は宿の掃除業務を担当しています。

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