【設定】魔物

◆魔物


 混沌より生まれ出でしもの。その正体は、トゥーラモンドの秩序に組み込まれ損ねた『情報』の残滓。


 生物に擬態しているが、その姿は多く不自然さを伴う。人間や動物が発する敵意や恐怖心に反応し、襲いかかる習性を持つ。

 命尽きる時、黒色で粘性のある液体・黒膿 (くろうみ、black pus)と化し、やがて霧散する。こちらこそが彼らの本質である。


 基本的に繁殖能力は持たないが、例外がある。

 魔物と人間の中間種である亜人 (例:ゴブリン)、魔物と動物の中間種である亜獣 (例:ダイアウルフ)などで、一代限りの混血種が過去に数例確認されている。



◇魔物の危険度ランク


 F~Aで表され、烈士などの武力と対応している。なお注意点として魔物・敵性生物は危険度「ランク」、烈士・職業軍人は武力「クラス」とそれぞれ表される。

 目安としては「同等のクラスを一人以上含むパーティで〝対処〟可能 (=組合の許可が下りる)」というのが正しい。

 決して「危険度Cの魔物は三等烈士 (Cクラス)一人で〝討伐〟可能」ではない点に留意すべし。




~ 魔物 Monster ~


オンモラキ (陰摩羅鬼)

 危険度:E

 鳥の体に凶悪な人相のヒトに似た頭部を持つ。大きさは人間大で、翼開長は2mあまり。主に屍肉を貪り糧としているが、群れで人を襲うこともある。



ワイラ (蛙弄)

 危険度:D

 剛毛逆立つ大きなガマの体に牛のような頭と尻尾を持ち、四肢は鉤爪になっている。主に山や荒れ地に棲息。



アヤカシ (妖屍)

 危険度:D

 死人の身体情報をコピーし実体化するアンデッド。海難事故の犠牲者が巻き込まれる、海辺での遭遇例が多い。



ドロタボウ (泥田坊)

 危険度:D

 精霊 (主に土・水・闇から成る)の残骸が、死者の残留思念と結び付いて形成されたアンデッド。単眼で手足の指は三本、その名の通り泥で出来た体を持つ。



ミヅチ (蛟)

 危険度:C

 河川に棲み着く大型の魔物。体長は4~5mほどで、龍と蛇、魚の混じったような姿をしている。尻尾やヒレでの攻撃のほか、毒の息を吐く。



ツチグモ (土蜘蛛)

 危険度:C

 牛馬大の体躯を持つ大型のクモの魔物。頭部はウシに似てツノがある。脚は三対で、前脚は大鎌状になっている。口から蜘蛛糸を吐いて獲物を拘束し、捕食する。



ヌエ (鵺)

 危険度:C

 イムガイに棲息するキメラの亜種。頭部はヒヒ、胴体は虎、尻尾は蛇。鳴き声で雷属性魔術の詠唱を行う。



イツマデ (以津真天)

 危険度:B

 鋭い歯と鉤爪、硬い鱗状の羽毛、長い尻尾を持った始祖鳥のような魔物。全長8~9m、翼開長は5~6mほど。鳴き声で時属性魔術の詠唱を行う。



ガシャドクロ (我舎髑髏)

 危険度:A

 怨念の集合体が巨大な髑髏の体を成したもの。自重で脚部が崩壊するため自立歩行はできないが、その腕の一振りは牛馬すら軽く薙ぎ払う。闇属性魔術の詠唱を行う。




~ 亜人 Demihuman ~


カッパ (河童) ※水神との関連:神話と宗教→ミグシヒメ参照

 危険度:E

 河川の近くに生息する亜人。緑色の鱗に覆われた肌、頭頂部に皿状の外骨格、くちばし状の口唇部、手足に水かき、背中には甲羅といった両生類的特徴を有する。水属性魔術の詠唱を行う。

 卵生、雌雄の区別あり。キュウリが好物で、ときおり人里に出ては盗みを働くが、直接人命を脅かすまでの悪意は持っていない。

 ただし、敵意を持って向かってくる人間に対しては実力行使も辞さない。相撲で負かした後、霊力を吸い取って懲らしめるのが彼らの流儀らしい。尻子玉というのは、人の背後を取ったり不意を突くことの比喩である。



ゴブリン goblin

 危険度:E

 小鬼。森や平野部に生息する亜人。体の大きさや力はヒトの子どもほど。生息地域によって文明水準に激しい差があり、所属する共同体が大きくなるにつれて知能も発達していく傾向にある。

 ゴブリンは世界各地に分布しており、その主な生息域は地図上で桜の花びらの形に見えることから『五大生息地 (チェリー・ファイブ)』と呼ばれる。



ファンガス fangus

 危険度:E

 キノコ型の魔物。胞子に毒を持つ。動きは緩慢。



エンコウ (猿猴)

 危険度:D

 水辺に棲息する亜人。全身を黒っぽい毛に覆われた類人猿 (参考:ヒバゴン)。長い腕に鋭い爪と牙を持ち、人や動物の内臓を喰らう。土属性魔術の詠唱を行う。

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