【設定】武術
~ イムガイの武術 ~
◆新月流兵法 (しんげつりゅうへいほう)
近世の剣豪・真浦鋼音 (まうら・はがね)を開祖とした、剣術・居合術・柔術などからなる武術の一派。
新月流剣術はナカツ島へ東征した武士同士の領土争いの中で発展してきた。基本的には対人剣術であり、虚実を織り交ぜた千変万化の太刀筋を旨としている。
習熟度は初伝、中伝、奧伝、皆伝の四段階。師から弟子へと口伝のみによって伝授され、免状も口頭のみ。
中伝までにほぼ全ての型を叩き込まれ、奧伝ではそれまでの型の要訣を教わる。これにより例えば、力を入れる方向を少し変えるだけで劇的に威力が増したり、使用法が不明確だった技の正体が判明したりする。
主な使い手:澪、美法
◆巳九尼流剣術 (みくにりゅうけんじゅつ)
イムガイ剣術の一派。中世の剣豪・光清詩乃 (みつきよ・しの)を祖とする。当代においては極星烈士・権平聖光 (ごんだいら・あきみつ)が使い手としてよく知られている。
北の新月流、南の巳九尼流でイムガイ剣術の双璧と言われる。ナカツ島では権力闘争が続いたため対人戦が主流だったのに対し、強力な魔物の脅威が身近だったオキツ島では対魔物の戦術が発達した。
相討ち覚悟の一撃必殺を旨とする。その際発せられる「アチャアーッ!」という独特の掛け声が有名。
伝位は初目録・中目録・大目録 (皆伝)の三つ。それぞれの伝書が師範から授けられる。
権平がパタグレアへ渡り伝えた本流は分派し、南伝巳九尼流と呼ばれる。後に真田馨の研鑽により、剣道の戦術 (駆け引きや体捌き)が流入する。中でも、遠間から神速で間合いを詰める踏み込みの妙技は、マシャド家のお家芸となっている。
主な使い手:ジオゴ、カヲル
◆辺土流杖術 (へんどりゅうじょうじゅつ)
ワツリ村の神官たちの間で伝えられてきた杖術。主に対人において相手を無力化・捕縛するのを目的とする。現実の杖術とは違い、対魔物戦をも視野に入れているため、かなり攻撃的な型も多い。
ワツリ神社成立以来の長い歴史を持ち、関わった武芸者たちから様々な流派の型を吸収している。無駄の削ぎ落とされた技法は、一見して地味ながら多くの変化に富む。
使用される杖は長さ150cm超、直径は3cm前後。一般的な杖術のそれよりもやや大型なのは、新月流の補助武器として用いられていた杖の影響とされる。近世以降には閉所・屋内での戦闘を想定した立ち回りも発達した。
主な使い手:柏木
*
~ 央土の武術 ~
◆炳意拳 bǐngyìquán
ヘイイケン。形意拳や心意六合拳の拳風を感じさせる流派。
縦回転の勁道を主体に、拳打や蹴りのほか、靠法を軸とした戦法を取る。兵器としては剣・槍・棍以外に、飛刀や鏢などの飛び道具も用いられる。
主な使い手:孟永定
◆辰摩掌 chénmāzhǎng
シンマショウ。至辰脚と穿魔掌を統合して生まれた比較的新しい流派 (統合過程で魔→摩)。
掌打や低位置での蹴りを中心とした戦い方は太極拳や八卦掌に似る。擒拿術や点穴の技法にも長けている。兵器は柳葉刀や鴛鴦鉞のほか、峨嵋刺などの暗器も使用する。
主な使い手:孟永年、孟永和
◆天道追影剣 tiāndàozhuīyǐngjiàn
稀代の剣侠・宋超星 (ソン・チャオシン)が生み出した双極の剣術。
追影剣は陰の極みであり、回避する敵の動作をどこまでも追い詰める。天道剣は陽の極みであり、敵を防御ごと両断する。この二種類を組み合わせた無敵の戦術こそが瑶山派を伝説たらしめた。
主な使い手:ユェン
【技能についての補足】
◇点穴 diǎnxué
いわゆる人体のツボを押すことで、対象に強化・弱体・拘束などの効果をもたらす技術。当然ながら肉体と霊体は密接に影響を及ぼし合っており、狙った効果を引き出すのは一筋縄ではいかない。
◇内功 nèigōng
霊体の内部を滑走路として用いることで、エネルギーの加速・変化までの距離を稼ぐ技術。その進路 (勁道という)を幾何学的に割り振ることにより、さらなる効率化が可能。
◇軽功 qīnggōng
霊物連動を応用した移動術。肉体の重量を自身の霊体に肩代わりさせることで、通常では持ち得ない機動力を発揮する。地上を速く走るのはもちろん、空中高くへの跳躍と緩やかな落下、さらに達人ともなれば水面を走ることすらも可能となる。
*
~ その他の武術 ~
◆オクタヴァリウス Oktavarius
中世に端を発するヴェロイト帝国の剣術流派。その名は剣筋の8方向への変化を意味する。すなわち――斬り下ろし・左右一文字・左右袈裟斬り・左右逆袈裟・突きである。
ちなみに上記の基本型8つの練度を極限まで高め、淀みなく超速で繰り出す剣技こそ、ヨハネスが得意とする屠光迅剣 (リヒト・シュレヒター)である。
時代が下るにつれて技法も洗練され、その過程で数々の流派へと派生していった。だが現在でもオクタヴァリウスは本家本元として、その質実剛健の剣風を売りとした根強い人気を保っている。
主な使い手:ヨハネス
◆カリオン舞闘術 Carion
蹴り技を主体とする、カポエイラに似た武術。武器としては山刀や手斧、靴に仕込んだ (または足指に挟んだ)ナイフなどを用いる。
成立は近世まで遡る。四百年ほど昔、パタグレアに集った獣人たちは、それぞれに異なる文化を保ちつつも互いに良好な関係を保つため、音楽や踊りによる交流を盛んにしていた。
各種族に伝わるさまざまな芸能や武術は、交流の過程で融合し、複雑かつ有機的な発展を遂げてゆく。その中心的な役割を担ったのが、多民族芸能集団アングレイア (Angreia)であった。
アングレイアは各種族に伝わる戦闘技術を集約・体系化し、尻尾による体幹バランスの補強や、二足歩行・地上戦にこだわらない型破りの戦術など、世界でも類を見ない独自の武術を作り上げた。これこそがカリオン舞闘術である。
植民地政権下、カリオン舞闘術は民間でのダンス・レクリエーションに擬態して密かに伝承される。それは独立戦争で猛威を振るい、戦後のパタグレアにおける獣人種の地位向上にも大きく寄与した。
現在では多くの技術がダンスに落とし込まれており、獣人種以外にも伝えられている。
なお、カリオン舞闘術の基礎となった武術の中には、水虎の古武術として有名な狂流・漂流も含まれている。
主な使い手:ラリッサ
◆自由打 (じゆうだ)
献慈がマレビトとして身に着けた異能武術。
その正体は『情報』化された武侠映画の内容を献慈が再解釈したもの。中国武術の棍術がベースとなっているが、使用武器が棍よりも短い杖 (じょう)であるため若干のズレが生じている。
当初は派手な見栄えが先行し、実用性はまずまずであった。柏木をはじめとした協力者を通じて他流派の技術を取り入れるなど、試行錯誤を経て改良されつつある。
主な使い手:献慈
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