【設定】魔導具

◆魔導具 magic tool


 基礎部分に刻まれた呪紋によって恒久的に魔法効果を発生させる道具。持ち運び可能なものを魔導具と呼ぶ。



◇マルスピラム marsupilam


 収納袋。内容積の拡大と軽量化 (割合ではなく一定重量の肩代わり)により一度に沢山の荷物を持ち運べる魔導具。袋型やバッグ型などがある。

 重ねて使用することはも可能だが、重量の負担量は最も外側にある袋に依存し、加算もされないためメリットはほぼない。

 管理体制の整った政府機関や烈士組合から、払い下げという形で市場に出回ることも多いが、一般人にとっては高価かつ貴重な品。



◇メッセンジャーボトル messenger bottle


 飛脚水筒。内部で自動的に水を生成する、旅の必需品。金属製や竹筒など外見はさまざま。マルスピラム同様、容量は見た目の数倍ある。



◇クリンネル cleaniere


 魔導布。長期間の野外活動など入浴が難しい状況でも、少量の水を含ませるだけで体表面の汚れを効率的に拭き取ることができる。

 なお、同様の原理が化粧落としや女性用の衛生用品などにも応用されている。



◇ニードル・ライ needle lie


 コンパス・羅針盤のこと。トゥーラモンドには地球のような磁場がないので、空属性魔法を用いた仕掛けで動いている。



◇時計 clock, watch


 時元素の働きを利用している。小型になるほど呪紋を刻むことが難しくなるため、腕時計は実用レベルに達していない。1889年現在はまだ懐中時計が主流。



◇風鈴 windchime


 音の振動を介して周囲の熱を和らげる効果を発揮する。呪楽のしくみが応用されている。



◇洗濯板 washboard


 一般的な洗濯道具。水元素の力で汚れを落としやすくする魔導具版も存在する。




◆魔導機 magic machine


 魔導具の中でも比較的大型で持ち運びが困難なもの、大掛かりな装置などを魔導機と呼んで区別する。



◇メロウキャンドル mellow candle


 通称・キャンドル。トゥーラモンドで一般的な照明器具。透明な管の中で光元素を反応、発光させる。熱は発生しない。



◇ライムライト limelight


 キャンドルと仕組みはほぼ同じ。街灯などに用いられ、各都市の魔導技師によって整備されている。



◇炊飯器 rice cooker


 作中では澪の誕生から数年後に家庭用が普及し始めた。炊きあがったご飯はそのまま保存するには向いておらず、おひつに移す必要がある。



◇冷蔵庫 fridge


 流通している品のほとんどは業務用で、一般向けのものは裕福な家庭にしか置いていない。コストの関係上、容積は小さめ。



◇エガル・スティロ égal-stylo


 いわゆるカメラ。写真館などに大型のものがあり、冠婚葬祭の折に使用される。カラー付きの写真も珍しくはない。芸術写真も普通に出回っている。

 原理的には光と闇の元素を瞬間的に反応させることで写像を得ている。



◇幻灯機 magic lantern


 活動写真の再生機器。映像技術自体が確立されきっていないため、試作品としての域を出てはいない。

 映像の記録には、光と闇に加えて時属性元素を制御する必要が生じるため、その難度は写真と比較して指数関数的に上昇する。



◇蓄音機 gramophone


 レコード盤 (phonogram)とともに使われる音楽再生機器。個人よりも学校や公民館、娯楽施設などで所有している例が多い。

 聴かれる音楽はクラシックが主だが、ジャズやポップス、民族音楽もある。残念ながらメタルはまだ誕生していない。



◇伝話機 telephone


 空元素と風元素の組み合わせで遠距離間の通話を可能としている。

 通信距離と精度は反比例し、距離が伸びるほど多くの中継点が必要となる。そのため、都市間の通話が可能な地域は非常に限られている。



◇ラヂオ radiogaga


 伝話機と同様の理由により、広域放送のハードルは高い。西洋諸国でラヂオ放送が試験的に行われるのは、あと十年ほど先の出来事となる。



◇伝報 telegraph


 遠距離間の緊急連絡手段。ごく少量の情報を信号として送信する。各国の軍隊や新聞社、烈士組合などで採用されている。

 なお、以上の通信技術はすべて無線通信である。



◇高速魔導船 hybrid-type fast ship


 一昔前は風魔法を用いた帆船での船旅が主流だったが、現在は水魔法との併用によるハイブリッド型船舶に取って代わられつつある。以前の技術では克服が困難だった複数属性のバランス維持が可能となったためである。

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