母が姉を包丁で刺そうとした

 いまだに謎な出来事なのだが、私が小学校五年生だった頃、母が高校に入ってすぐ不登校になった上の姉とそのことでケンカになり、姉を包丁で刺そうとしたのだ。

 私にはもう一人姉がいるのだが、あの時は焦って下の姉といっしょになって母と上の姉の二人を懸命に止めた。

 その結果大事には至らなかったのだが、その後母は私たち二人を胸に抱いて「いっしょにお風呂入ろうね」などと意味不明なことを言い出した。

 私はこの時、「母は頭がおかしくなってしまったのだ」とひどく恐怖したことをよく覚えている。


 ちなみにその後、私は「上の姉が母をおかしくしてしまった」と思って、些細なことで彼女に当たるようになった。当時、家の中で「上の姉はおかしい」という扱い(=家庭内いじめ)を受けており、父と母が正しいことになっている家の中ではある意味普通の行動だった(?)。

 しかし、そういうことがしばらく続いて、今度は上の姉がキレて、お茶の入ったペットボトルで私の頭を殴ってきたことがあった。

 結局その後、私は姉をいじめるのをやめた。


 30を過ぎてから上の姉にこのことを謝った。もう昔のことだからいい、と言われたが、いまだに自分で自分が許せない。

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