実話。

日本人なのに中国人だと疑われ続けた話

　以前、とある学校に通っていたのだが、クラスメートに中国人の女の子がいた。

　私は中国語が話せたのでその子に中国語で話しかけた。彼女は私の中国語の発音にいたく感動したらしく、「本当は中国人でしょ？」とまで言ってきた。

　ここまでならただの自慢話なのだが問題はここからで、その後彼女は学校中で「私は実は親戚も全員中国人だが、改名してそれを隠している」という根も葉もない噂を流し出した。

　そのせいで同級生の日本人や先生にまで中国人と疑われた。友達にまで「アンタ中国人なんでしょ？　いい加減隠すのやめたら？」みたいな感じで言われ、正直ウンザリしていた。

　まあ、私の両親は中国語なんて全く話せないし、私の家系図を調べれば普通に分かる話だが先祖を十代さかのぼっても日本人である。親戚のおじさんが五十歳を過ぎてから中国人女性と結婚したが、それ以外では特に中国との縁はない。

　なぜ彼女は私を中国人であると疑うに飽き足らず、事実無根の情報をまき散らそうと思ったのだろうか。ひょっとして彼女には嘘を言うことに対しての抵抗感とか、良心がないのだろうか。それとも自分が思ったことと事実の区別がつかないのだろうか。

　その辺がいまだに謎だ。

　いずれにせよ、私の中国語の発音が純日本人にしては上手だったのは単に私がＡＳＤ（アスペルガー）なだけで、別に中国人であるというわけでもない。

　言語オタクで音声学に詳しい人なんかは、割と何語を勉強しても発音が上手になると思う。