【3900文字小説】あと五分。三分。残り一分。
環月紅人
introduction
――あと五分後の未来に、突如として世界が終わったとして、なんの前触れもなく訪れるものだとして。
俺はその一瞬を、有意義に生きていたと言えるのだろうか。
長い人生を生きていく中で、意味とは見つけるものではなく生まれていくものだと誰かが言っていた。
有意義かどうか。それを決めるのは結局自分しかいなくて、その一瞬を無駄だったかどうかもその人にしか推し量れなくて。
大きなカップ麺を作れるくらいの長い時間。好きな音楽を一曲聴いたらもうあと少ししかない時間。
その間に、何ができて、何ができなかったか。いくつもあるし、言うほどなんにもない猶予。
その一瞬の自分の行いを、俺は許し、有意義だったと最後、笑顔で認めてやれることはできるのか。
その日、世界は唐突に、なんの前触れもなく、――ただ。
俺と幼馴染みにだけタイムリミットを突きつけて、終末へと歩み出していた。
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