第21話 報酬とおまけ
:送信が完了しました。9935SPを獲得しました。88050SPを獲得しました。
:【愉悦の邪神】様よりギフトが届きました。[実績:最低目標達成][1000SP獲得][3000SP獲得][5000SP獲得][1万SP獲得][3万SP獲得][5万SP獲得]が届いています。ギフトを開封しますか?
「おぉ…?分かった、開封してくれ。」
:開封します。[邪神ショップ]をインストールしました。
:[ダンジョントロフィー・銅]6個が保管庫に送られました。
(また新しい機能が…。ってかトロフィーが貰えるのはもう決まった流れなんか?)
実績を達成すると貰えるトロフィーを疑問に思っていると、リリスがコアルームに戻ってきた。
「お、お疲れ様。どうだった?怪我とかしてないか?」
「ただいま戻りました、マスター。怪我はありません。ハチは私に触れることも出来ませんでした。」
「そうか…。まぁ無傷なら問題無し!それよりこっち来てくれ。休みなくて悪いけどまた新しい機能が追加された。」
リリスをコア前のソファーに呼び寄せ、追加された[邪神ショップ]アプリを開いてみた。
_____
邪神ショップ
98050SP
情報
特殊属性
特殊生物
特殊機能
特殊アイテム
種子
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「こっちのショップもSPか…、SPショップよりは値段も性能も高そうだな。」
邪神様が扱う商品に期待していると、
「マスター、それよりこのSPはどうしたのですか?1体当たり5SPの計算でも多すぎます。ハチは1万と少ししかいなかったはずです。」
「それは俺にも分からんけど、SPは2回に分けて獲得してんだよ。それと最低目標達成っていう実績を貰った。」
(戦いながらあの数を数えてた?本当に余裕だったんだなぁ…。)
「最低目標…?木村理玖の魂の分でしょうか?」
「さぁ?もっと刻んでくれればどのタイミングとかも分かったんだけど。」
2人して首を傾げていると、
『ならば説明してやろう。』
いきなり邪神様が声を掛けてきた。
「うぉっ⁉︎…じゃあよろしくお願いします。」
(メッセージじゃなくて直接来た!)
『まず最低目標というのは木村理玖のSP分だ。お前達に支払う報酬が1万SPになった時点でこれを回収出来るように設定してあった。』
(木村理玖のSPは1万か…。ハチ2千体分だと考えれば妥当か?)
『いや、勘違いするな。我は1万SP獲得するまでお前達にエネルギーの1%を支払っていた。1%で1万なら100%で100万だ。木村理玖の分は100万SPに設定していた。地球人の情報はそれだけ多い。』
「…マジすか。ってか還元率低くないですか?」
『還元率は最低目標を超えたことで増額する。これからは2%を報酬として支払う。次はお前に与えた力を回収し終えた時にまた還元率を上げる。』
「…それでその回収ラインは?」
『次は100万SPだ。100万で還元率を5%に、以降は500万ごとに5%ずつ還元率を上げていく。』
「…分かりました。それと気になったのがトロフィーで、あれは何なんですか?」
(ただのコレクション系?保管庫に入れてればいいから別に困らないけど。)
『トロフィーはコレクションしてもよいが、合成アイテムだな。銅3個で銀1個、銀3で金1、金3でミスリル1、ミスリル3でオリハルコンに交換出来る。』
「おぉ!オリハルコン!それってトロフィーを溶かせば加工出来るってことですか?」
『それは勿論だが、オリハルコンの加工は容易ではないぞ。狙うのは構わないが加工出来なくても知らん。』
「…そんなに?ちなみに融点は?」
『オリハルコンの融点は約13000℃になる。ミスリルでも約6000℃だ。ショップの魔法炉を使えば溶かすことは出来るが、半端な道具では掴むことさえ出来んぞ。』
(13000…?ミスリルの6000℃ならワンチャンいけるか?)
『そうだ、しばらくはミスリルにしておけ。オリハルコンは女神級でないと過剰だ。』
「分かりました。オリハルコンは加工出来るようになったらにします。」
『では我は帰る。これからも励めよ。』
そう一方的に宣言すると邪神様の気配がコアルームから消えた。
(トロフィーはおまけか…。まぁ貰える物は貰っておこう、どれも価値がある物だし。)
実用性のあるおまけを貰えて満足していると、
「マスター、ショップの内容を確認してしまいましょう。モノによっては今後の計画を修正する必要があるかもしれません。」
リリスが確認を急かしてきた。見るからに重要そうなモノが並んでいるし、普通に気になるのでサッサと確認することにした。
***
_____
情報:SP
《叡智1》
イステルシア大陸・全土地図:20000
イステルシア大陸・物流把握:30000
イステルシア大陸・植生把握:40000
イステルシア大陸・資源把握:50000
イステルシア大陸・生体把握:90000
《叡智5》
イステルシア大陸・完全把握:180.000
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
最初の[情報]でいきなり超重要な項目を見つけた。字面から察するにこの大陸の情報が売られているらしい、それもかなりお手頃な値段で。
「リリス、どうする?全土地図だけでもかなり偵察が捗るのは間違いないぞ。」
「それはそうですが、先に他を確認しましょう。SPは目減りしません、ゆっくり考えましょう。」
「…はい。」
自分でも気付かないうちに興奮していたのか、リリスに嗜められてしまった。
(そうだな。急ぐ必要は無いんだし他見てから考えるか。)
*
結局、その後は昼食の時間まで邪神ショップを確認していた。
特殊属性は、リリスに付いていた[始原]や[叡智]、運命や因果を操作する[勝利]や[必殺]なんてものがあった。当然高い、最安が1000万から。
特殊生物は人間やホムンクルス、クローンが作れるらしい。人間は70SPで作れるようなので、520SPのエルフは人間の約7倍のスペックだと分かった。
特殊機能は魔力や
特殊アイテムは1回だけ魔法が使える使い捨ての魔法結晶、どんなところにでも転移出来る使い捨ての転移結晶といった使い捨てのアイテムが売られている。魔法はピンキリで火球の1SPから500万SPまで。
種子はその名の通り種が売られている。植物はヒール草の種から世界樹の種まで売られている。それと重要なのが米、種籾があった。
この世界の主要穀物が何なのか知らないが、稲は水稲栽培ならかなりの収穫量があるはず。
(水田だと連作障害も起こらないらしいし、最強では?)
小麦は連作障害が起きるはずで、この世界の文明では対処法も確立されていないだろう。米で食料を増やせば人口も増加するのでは?
(いやー、勝ったなこれは。水田の整備は必要だけど、それだけやったら後は人間に作らせればいいし。)
1人でニヤニヤ笑っていると、
「マスター?もしかして稲作をお考えですか?」
「おっ⁉︎すげえな、何で分かった?」
(エスパー?いやでも悪魔だしな。)
「種籾を見たあたりで何やら考え始めたようでしたので。」
「そんな分かりやすかったか?まぁそれより稲作はどう?小麦は連作障害あるし食料供給には米の方が向いてると思うんだけど。」
「そうですね…。ですが、この世界の人間に稲の面倒が見れるでしょうか?小麦より手間が掛かりますが…。」
「えぇ?それくらいやるでしょ。ってかやらせる。この種籾は日本のやつパクってきてるんだろうし、水田と気候が合えば育てられるはずだよ。」
「確かに無理やりにでもやらせて収穫量を見せつければ、自分からやりたがるようになるかもしれませんね。」
「そうだよ。大量の米俵でぶん殴ればみんな米農家になりたくなるよ。」
人口養殖と米が食べられるようになって一石二鳥だ。DPでも米は食べられるけど、この世界には魔力がある分更に美味しく品種改良出来るかもしれない。
またまたニヤニヤ笑っていると、
「マスター、でしたら計画を修正しましょう。種籾に加えて種芋もあるので、食料供給の目処が立ちました。国を乗っ取るのではなくて一から建国してしまいましょう。」
リリスが計画を変更すると言い出した。
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