第11話 新たな眷属
*異世界生活3日目
翌朝、コーンスープとトーストを食べさせられた俺は、DPショップを見ていた。1日目の夜に変換にかけた10万DPが明日の朝には使えるようになるからだ。
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DPショップ
3344DP
食料品
衣類・装飾品
家具・内装品
医薬品
装備品
希少宝物品
DP限定ダンジョン施設
DP限定特殊機能
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食料品はそのまま食料を購入出来る。水1杯が食べ物とセットで出てくるが、普通に飲料も売っていた。酒も瓶や樽で売っているようなので、国を作る時には賄賂としても使えそう。
衣類・装飾品は服類とティアラ、ピアスなどの装飾品が売ってあった。ティアラなんかはめちゃくちゃ高いけど、ピアス、イヤリングはピンキリで安い物もあった。
家具・内装品は机、タンス、本棚などの家具と、絨毯や壁紙なんかを売っていた。今使っている安物の机と椅子も少し良い物に変えたいと思う。
医薬品は初めは風邪薬なんかを想像したけど、実際はポーション系がメインだった。普通の物はそれなりの値段だけど、エリクサーとかになると値段が爆騰する。
装備品は武器類と防具類に分かれていた。武器は基本的には鉄、魔物の素材製がメインで魔法金属や属性鋼、超希少金属のアダマンタイト、オリハルコン、オレイカルコス製の武器も売られている。
防具類は魔物の皮、鱗製から金属製の肩当て、ガントレットからフルプレートまでの防具が売られている。後衛用にかローブなんかも売っている。
希少宝物品は、超希少金属がグラム売りからインゴットまで、エリクサーの素材になりそうな水も売られている。基本的には素材になるものが多いようで、自力で作れるようになればここから素材調達することも出来そうだ。
DP限定ダンジョン施設は、もう既にあるシャワールームのような娯楽系の部屋で、温泉だったり遊戯室なんて部屋もあった。
DP限定特殊機能は、設定した魔物のクローンを作り続ける魔物複製装置、設定した魔物を召喚し続ける魔物召喚装置、
中でも気になったのは、ポーション系で、
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医薬品:DP
ポーション:2000
ミドルポーション:6000
ハイポーション:12000
初級万能薬:7000
中級万能薬:15000
上級万能薬:28000
霊泉水:40000
生命の水:130.000
若返りの水:180.000
竜血:430.000
エリクサー:5.500.000
ネクタル:7.000.000
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不老不死の薬がかなり高いけど普通に売られている。
幸い俺は不老になっているからそこまで欲しくないけど、世の権力者達が目の色変えて欲しがるだろう霊薬が当然のようにラインナップされている。
(これ使い道あるか?実際に不老不死になるんだろうけど、神相手だと普通に貫通して来そうで信用できないし、なにより高い。)
タブレットを見つめて考え込んでいるとリリスが声を掛けてきた。
「マスター、そろそろガルムとウルフを生成しましょう。ガルムを作ったら私は巣に出発したいと思います。」
そう言われてMPを見れば195.000くらいまで回復していた。
「あー、ごめん。先にガルムをやっちゃおう。どんどん散って無駄が…。」
「1時間に50程です。大した差では無いので大丈夫ですよ。」
それでも急いでコアに手を触れた。
「コア、分割チャージの続きをチャージしてくれ。」
:分割チャージは5560されています。154.440MPのチャージを開始します。手を離さないで下さい。…完了しました。
コアの横、少し離れた場所に赤い光が集まってガルムが生成された。
体高は俺より高い1.9m程、体長はおおよそ4mくらいの巨狼だった。濃紺の毛皮を纏っていて、体毛は光の加減で紫がかって見える。
「おぉ…、デカいな…。」
(めちゃくちゃカッコいいやんけ!毛もモフモフだし、何よりデカい!)
デカいデカいと考えているとリリスが、
「眷属登録してあげるのはいかがですか?長い付き合いになるでしょうし、ウルフ4体の生成にはまだ少し時間がかかるはずです。」
「おけおけ、そうだな…。ちょっと待って少し調べ物したい。お前も楽にしていいよ。」
こちらを黙って見つめる巨狼に座るように言うと、そのままお座りの体勢になった。
(デカくてもこういうとこはちょっと犬っぽいな。)
とりあえず座らせたので、調べ物をしようとスマホを取り出す。調べるのはガルムが何を由来に持つ魔物なのか。
*
調べた結果、北欧神話にルーツを持つ魔物のようで、地獄の女神ヘルの館を守る番犬(狼)らしい。フェンリルと同一視されることもあるようだ。
(フェンリルって、90億超えのやつだよな?ダンジョン的には違う扱いされてるっぽいけど、名前はそこから貰うか。)
「ロキ、なんてどうだ?地獄の女神ヘルの父親だし、フェンリルの父親でもある。それに意味が「閉ざす者」「終わらせる者」だってさ。」
ちょっと神の名前は痛いかなと思ったけど、悪くないような気がする。全く無関係って訳でも無いし、何より意味がカッコいい。
自分でネーミングセンスを自画自賛していると、
「ウォフ、ウォォフ。」
とガルムが頷いてくれている。
「お!そうか、ロキでいいか!これからよろしくなー。ロキ。」
近づいて胸元の毛を撫でる。
(胸元に血が付いてるってあったけど、普通にサラサラのモフモフじゃん。)
モフモフのでっかい狼を堪能していると、
「マスター、名前を付けたのはいいですが、眷属登録もしてあげないと…。」
リリスがタブレットを渡してきた。
「あ、そっか。そうだったわ、忘れてた。」
パパッとタブレットの眷属登録でロキを選択する。するとコアから、
:北欧神話群、[ガルム]に北欧神話群名称を確認しました。北欧神話群の属性を追加しますか?
「リリスさん?」
「はい、マスター。これは私にも無い情報です。そのままですが、北欧神話にルーツを持つガルムに北欧神話の神の名前を付けたからだと思います。どうなるかはやってみないと分かりませんが、弱体化する訳ではないと思います。」
「そうか…。」
ロキはまだコアのアナウンスが聞こえないからか、首を少し傾げてこちらを見ている。
(悪いけどいつかは実験しないとなんだ…。許してくれよ…。)
「コア、追加する。」
:[ガルム]に北欧神話群の属性を追加しました。眷属新生候補がロックされました。特殊能力[冥界][番犬]が追加されました。
ロキは傾げていた首が元に戻って、目のピントが微妙にズレてるが、前を向いた。
(別に属性が追加された?とりあえず弱体化された感じは無いな、むしろ強くなってるんじゃね?)
ロキの様子を見て悪影響があった訳ではないのに安心していると、
「ウォフ。」
(
「うぉ!頭に直接⁉︎念話ってやつ⁉︎」
「ウォフ。」
(はい、これが念話です。眷属になったので念話が使えるようになったようです。私の口では人語を話せませんから念話で失礼します。)
「あー、そうか。確かに狼の口の構造じゃ無理があるな。まぁそれはそうと、」
タブレットで今度は眷属権限強化を押した。
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眷属権限強化
ダンジョン管理権限
・サブマスター権限
・ダンジョン構築操作権
・使役生物命令権
拡張端末操作権限
・タブレット端末操作権
・タブレット端末操作権(一部)
・スマホ端末操作権
・スマホ端末操作権(一部)
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「リリス、タブレットとかは弄れないだろうけど命令権は付けといた方が良いよな?」
「はい、それがよろしいかと。流石に手が大きすぎますからね。」
「ウォフ。」
(主殿、ありがとうございます。)
「いいんだ、あとは眷属新生だな。ロックされたって言ってたのが気になる。」
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眷属新生
新生させる眷属を選択して下さい。
ハイデーモン・希少種♀[リリス]
ガルム・神話近縁種♂[ロキ]
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(神話近縁種?文字通りの意味か?)
ロキを選択する。
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新生させる種を選択して下さい。
月蝕狼ハティ
日蝕狼スコル
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「ハティとスコル?なんとなく聞いた覚えある気がする。」
「ハティは月食、スコルは日食を引き起こすと言われる狼のようですね。どちらもフェンリルの系譜のようで、やはり北欧神話の系統です。」
「どっちかに新生すればフェンリルにまで成れるんかな?」
「それはどうでしょう?フェンリルは92億の化け物ですから繋がっているかは分かりません。繋がっていたとしても間が空きすぎな気もします。」
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月蝕狼ハティ
保有魔力:不足
必須属性
:狼…可
:氷…不可
:濃霧…不可
:氷結…不可
:吹雪…不可
:氷雪…不可
:極寒…不可
:極暑…不可
:空歩…不可
:天駆…不可
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「おぉ、属性が全然足りてない。多く属性が必要ってことは強くなるってことでいい?」
「そうですね。10個だと800万から1000万くらいの強さでしょうか?悪魔なら公爵級は余裕で超えて魔王級だと思います。」
「そんなに⁉︎いいねぇー。夢が広がるわ。」
「それよりマスター、ウルフ4体を生成してしまいましょう。ロキに任せてさっさとハチ共の巣に行きたいと思います。」
「あ、ごめん。そうだったそうだった。」
タブレットを腋に挟んで、コアに右手を触れた。
「コア、6属性ウルフを火、水、土、光で1体ずつ生成してくれ。」
:40000MPを吸収します。手を離さないで下さい。…生成が完了しました。
生成されたウルフ達はそれぞれ、薄い赤に薄い水色、砂漠のような砂色、白が強い金色をしている。
(色が薄い!目に優しい色だけど、全然強くなさそう…。よく見れば身体もデカいけど、隣にもっとデカいのがいるからなぁ。)
「よし、ロキ、こいつらがお前に付ける最初の部下だから、仲良くするんだぞ?」
「ウォフ。」
(はい、主殿。私の群れの一員になるのです。勿論仲良くします。)
「うんうん、任せたぞ。」
新たに1体の眷属とその部下4体が仲間になった。かなり強くなりそうな眷属が増えて頼もしい。狼はカッコいいし、ずっと活躍出来るよう頑張って欲しい。
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