第3話 情報
ハイデーモンの希少種にリリスと名付けたところで、
:生成された魔物への命名が確認されました。機能[眷属登録]、[眷属強化]をインストールします。…完了しました。
(なんかまた新しい機能が…。名前付けるだけで色々増えるとなると、少し触って確かめた方が良いな。)
「リリス、今の声聞こえた?」
「声…ですか?マスターの声なら聞こえておりますが…。」
「あぁ、分かった。」
(なるほど、コアのメッセージは俺にしか聞こえてない、と。)
腋に挟んでいたタブレットを点けると、ダンジョンのアプリを開く。このアプリはタブレットを拡張端末として認識した時に追加されていた。
_____
ダンジョン管理アプリ
10000
階層拡張機能▶︎
空間操作機能▶︎
眷属登録▶︎
眷属強化▶︎
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
魔物の召喚と生成機能以外は全部タブレットで出来るようになっている。
(ん?なんだこの1万?最初見た時からあったか?)
(とりあえず放置で…。眷属登録は…俺の代わりに何かさせる感じか?強化はそのまま強くするんだろうけど。)
試しに眷属登録を押してみた。
_____
眷属登録
眷属に登録する個体を選択して下さい。
ハイデーモン・希少種♀ 個体名[リリス]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(うーん、これ選択する前にコアに聞いた方がいいな。)
「コア、眷属登録と眷属強化の機能を解説してくれ。」
:眷属登録は、召喚又は生成された使役個体に命名をすることで、その個体を個別識別します。
:眷属強化は、個別識別された個体の強化、権限の付与などを行います。
(分かりづらぇ…!登録は登録ってコト?何体までとか決まってんのか?)
「コア、眷属登録は何体まで出来る?」
:眷属登録に限界数はありません。
(あぁ、それならいいか。リリスを試しに登録してみよ。)
「コア、個体名リリスを眷属登録してくれ。」
:ハイデーモン・希少種、リリスを眷属登録します。よろしいですか?
「はい、登録して。」
:個体リリスを眷属登録しました。続いて眷属強化に進みますか?
「いや、まだいい。リリス?声は聞こえたか?」
「はい、マスター。私は眷属になったことで、今までの経緯が共有されたようです。マスターが私に求める情報が頭に入ってきました。」
「おぉ、マジ?周辺国のこととかも分かるようになった?」
「はい。眷属になって情報がアンロックされました。私はマスターのダンジョン強化をサポートするために生まれてきたのですね。」
「そうなんだ。早速だけどダンジョンとか周囲の情報を教えてくれ。」
「はい、まず現在このダンジョンはこのコアルームだけの生まれたてダンジョンです。このままでは侵入者が、いきなりコアに到達してしまいます。まずはダンジョンを拡張してコアを防衛可能な深さにしましょう。」
「おぅ…マジ?軽く見ただけだっからこの部屋だけだとは知らんかった。一応ハチ系魔物を誘い込んで迎撃しようって計画立ててるんだけど。」
「はい、そのためにもまずは外と繋がる必要があります。今は地中ですし、ハチの偵察を出すためにもまずは地上と繋がりましょう。」
(危ねぇー、ここは空間的にダンジョンとは離れてる隔離部屋だと思ってたわ…。地中にポン置きされてたのかよ!)
「あぁ、そうだな。まずは外と繋がってから防衛の準備をしよう。」
「コアルームが外と繋がると、空気中の魔力を少しずつ回収して蓄えられるはずですので、その意味でもなるべく早くやりましょう。階層拡張機能を開いて下さい。」
_____
階層拡張機能
通路設置
部屋設置
罠設置
特殊機能設置
階層追加
外部領域拡張
特殊環境拡張
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「それの通路設置です。安い洞窟タイプなら100mで1000
「ん?ダンジョンポイント?何それ?」
「え?ご存じではないのですか?ダンジョンポイントはダンジョンコアが魔力を元に精製して作られる魔力の上位エネルギーです。ダンジョンの拡張にはこっちを使うのですが…。」
「…聞いてない。魔力としか聞いてない。もしかしてこの10000がダンジョンポイント?」
「はい、初めて眷属を登録した報酬のようです。」
「…やっぱり、な。変に気前が良いと思ってたらこれだ。肝心のダンジョン拡張に必要な要素を隠してやがった!」
(やられた!あんの邪神が!)
「それで!ダンジョンポイントはどうやって貯める⁉︎」
「ダンジョンポイントはコアに魔力を供給しておけばコアが勝手に変換してくれます。レートは1:1ですが、10万変換するのに2日掛かるようです。」
「時間だけ?他に必要なものは?」
「時間だけです。なので今すぐコアに魔力を供給しておきましょう。」
「あぁ、早い方が良いな。」
(時間が掛かるだけならなんとかなるか…?)
急いでコアに右手を置いた。
「それでどうやって魔力を入れる?」
「出来れば自分で出来た方が良いのでしょうが、初めてですしコアに吸い出すよう指示すればコアがやってくれるはずです。」
「おけおけ。コア、俺から魔力を10万吸い出せ。」
:マスターのMPを10万吸収します。残存MPは10万です。よろしいですか?
「あぁ、やってくれ。」
:MPの吸収を開始します。手を離さないで下さい。
コアがそういうと俺の身体から、温かい、血流のような感覚が右手から吸い出されていく。初めての魔力の感覚に驚いていると、
「マスター、それが魔力の感覚です。その内に訓練して扱えるようになりましょう。」
「使えるようになると、何が出来る?」
「身体強化に魔法、魔術関連のことが出来るようになります。マスターは魔力量が凄まじいですから感覚もすぐに感じられると思います。」
「そうか?楽しみだな…。」
:MPの吸収が完了しました。変換まで47時間56分です。
(これでしばらくは持つか?1000で100mくらい洞窟を作れるらしいから…。)
「マスター階層拡張に戻りましょう。マスターのMPを節約するためにも早く外に繋げましょう。」
そう促され、通路設置の画面を改めて開いた。
***
_____
通路設置
洞窟タイプ1m:10DP
鍾乳洞タイプ1m:18DP
坑道タイプ1m:15DP
石畳タイプ1m:17DP
遺跡タイプ1m:14DP
・
・
秘密坑道タイプ1m:25DP
・
・
火山洞窟タイプ1m:40DP
極寒洞窟タイプ1m:38DP
希少金属坑道タイプ1m:100DP
古代遺跡タイプ1m:500DP
叡智の神殿タイプ1m:600DP
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「これの洞窟タイプ?」
「はい、それなら外まで1000程度のコストで繋がります。」
「10分の1か、他も考えてそれくらいに抑えた方が良いか。」
(この急に値上がりする2つが気になるけど…)
「この通路の壁ってただの壁?壊したり出来るのか?」
「洞窟の壁は洞窟の壁です。完全な破壊は不可能ですが、削って石や岩にすることが出来ます。掘った壁は魔力を自動で吸収して再生します。」
「お?そっから鉄が取れたりする?」
「洞窟の壁では望み薄ですが、坑道系の壁を設置すればグレードに合った金属が採れます。」
「へぇー、その壁があれば無限に資源採れるんか?最強じゃね?」
「再生までに時間が掛かりますし、採れる金属もランダムですので、狙った金属を集めるのはかなり時間が掛かるかと。」
「そうか…。まぁそれは後でいいか。まずは外と繋げないと。」
洞窟タイプを指定すると、コアルームを中心にした山が表示された。
(うん?山?もしかして地中って山の中にいるってことか?)
「リリス?もしかしてここって山の中?」
「はい、標高600m程の山の中にコアルームがあります。」
「……おおぅ。防衛向きだと考えるか…。この際、この山を要塞化しちまおう。」
「それがよろしいかと。そこまで大きくない山ですけれど、簡単に越えられる程でもありません。要塞化には程よいサイズと思います。」
「よし!まずは横に100m洞窟を作って穴を開ける。外まで最短距離で良いよな?」
「はい、外には私より弱い魔物しか居ないはずなので、安心して下さい。その後は偵察用の魔物を生成してみましょう。」
「そうだな、強いのがいるにしてもまずは偵察してみないと分からんよな。」
異世界への初めての一歩を踏み出すために、まずは外界への道を繋げることにした。
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