姉妹治安維持部隊

 最近夜を騒がせている連続殺人犯がいる。

 新聞の記事に視線と落とすと、片隅にある記事にはこう記載されていた。

「○○区連続婦女暴行事件!!!」

 どうやら近所のバーにて、女性がトイレに立った隙にビールに薬を盛ってお持ち帰りする下種がいるらしい。

 私はその記事を読み、言いようのない怒りに駆られ、思わず新聞を握りつぶした。

「ちょっと、私まだ読んでないんだけど」

 ちょうど寝室から起きてきたばかりの姉があくびを噛み殺しながらそういった。


 その日の夜、姉と二人で近隣のバーにさっそく向かった。さっそく隣に座った男に話しかけられた。

「二人とも美人ですね、お友達ですか?」

 いかにもな怪しい風貌のチャラ男からの声掛けに私と姉は目くばせした。

「(こいつに違いない)」

 姉は口をパクパクさせて私にそう言った。

 結局その日は男と三人で夜遅くまで飲み、盛り上がったので、その後ホテルへ行った。

「恥ずかしいから、先にシャワーをあびてきて・・・」

 私はしなをつくりながら言い、男をシャワー室へ追いやった。

 姉と二人きりになると、バッグからビール瓶と紐を取り出して、二人でシャワー室へ向かった。


 次の日、家で新聞をチェックし、昨晩も婦女暴行事件が近所で起こったことを知り、私は肩を落とした。そしてその記事の下には、

「ビール瓶連続殴打殺人事件に関連か?」との文字も続いていた。

 姉と私は、今日も○○区の治安を守るために奔走することになりそうだ。

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