第28話 サンD-2は宇宙市民ではなく、ペット・ドールのままだったが・・・
サンD-2の心はいつも、満たされない何かを感じ、それを探していた。
自分をサンと呼んだ見知らぬ男。彼は何者なのだろう? D-2はヘルメスとロビーで出会って以後、ヘルメスのことがひどく気にかかっていた。
サンD-2はサンD-1の記憶チップを埋め込まれていたので、初代サンD-1と関わりのあった者であれば、誰であるかがわかるはずだった。しかしD-2にはヘルメスの記憶が完全に抜け落ちていた。D-2の絶対的主人であるフィルビーの態度も何かおかしかった。
サンD-2はまだ宇宙市民としては登録されておらず、どんなに優秀で美しい存在であろうとも、ペット・ドールのままだった。しかしサンD-2は、並みの宇宙市民、いや、ほとんどの宇宙市民よりも全ての面で優れていた。彼より優秀な宇宙市民を探すことの方がよほど難しかったのだ。しかしそのことを知っているのは、フィルビーとラボの研究員ノーマン・テラーだけだった。
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