第24話 帝国軍総統ユリウス暗殺計画で議論されていたのは・・・
あの時のことを、クベーラが忘れるわけがなかった。
あの暗殺計画において、送り込まれる刺客は、最初はセザールの予定だったのだ。
どう考えても、セザールが適任だとは思えなかった。
セザールは最初の任務で失敗した、まだなりたてのシバ隊員だった。その美しさと舞は際だっていたが、あの大物を暗殺するには経験が無さ過ぎた。と云うことは、推薦者の狙いはただ一つ。セザールの私物化だった。ソラリスのグランドマスターの中には、シバ隊をペット養成所のように扱うものもいた。
まだグランドマスターになりたてだったクベーラは、だから会議の成り行きが、不思議でならなかった。彼等は暗殺計画が失敗した後の話ばかりをしていた。
3人の年配で絶大な権限を持つグランドマスターは、暗殺計画の作案段階で、失敗するであろうシバ隊員の、失敗後の行き先を議論していた。3人とも自分が身請け人になると主張し、譲らなかった。結局、3人全員が身請け人となり、3人で共有することで決着がついたのだが、クベーラはその傲慢さに驚き、元老院そのものに失望した。
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