第21話 クベーラとハリー

 クベーラはこのところ毎日、ハリーと出会った公園へ足を運んでいた。

 もちろんフォースを操る練習をするために行っていたのだが、ハリーと会えることも大きな理由だった。ハリーは前シヴァ神であるセザールが、命を助けた少年だった。


「おじさんは、この星の人じゃないよね。この星の人は、フォースを操ろうなんてことは、初めから考えないから」


「おじさん、どこの星から来たの?」


 クベーラは言葉につまった。ソラリスは特殊な星なので、普通は口に出してその名前を言ってはいけない星だった。


「教えてあげたいけど、今は言えないんだ。仕事に支障をきたすからね」


「僕が生まれた星は、マルデクって言うんだけれど、今はもう無いんだ。

でもさ、この星から見るとまだあるよう見えるんだよね。とっても離れているから、小さな光にしか見えないけど・・・」


 マルデクのことはクベーラも知っていた。

 宇宙連合とは敵対する星団である宇宙帝国軍に所属し、帝国軍の要であった総統ユリウスを輩出した惑星だった。

 ユリウスは暗黒王とも呼ばれたが、しかし異世界との闘いにおいて、異世界からの侵入路を閉じた英雄でもあった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る