第15話 素性を隠して潜伏するクベーラにはカルキと云う名の護衛がついていた。

 クベーラはまだ自分の素性を、ルシファーにもヨハネにも明かしていなかった。

2人が知っていることは、かつてこの家の住人だったセザールの親しい友人ということだけだった。

 その素性を知っているのは、ミカエルがテラで創設した新興宗団「光の泉」の医師、ジャド師のみだった。そしてクベーラには護衛として、カルキという名の武官がついていたのだが、カルキの素性を知っているのも、ソラリスの将軍ルドラと武神ルーンだけだった。カルキは武芸にも医術にも長けていたのだが、その過去は壮絶なものだった。だからこそカルキの過去は、堅く封印されていた。

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