第12話 新シヴァ神候補セーヤに、フィルビーが言った言葉は・・・
「坊や、教えてくれないか。あのお方は今、どこにいる?」
セーヤは真っ青な顔をして、震えていた。
ヘルメスはすぐにセーヤを抱きしめ、その不安からセーヤを解き放ち、
護ろうとした。
その様子を見て、フィルビーはなぜか学生時代の恋人サンを思い出し、苛立つ自分を押さえ切れなかった。
フィルビーは無理矢理ヘルメスの胸からセーヤを奪い、セーヤの首を絞めながら言った。
「この小悪魔め! その淫らな目と唇で、だれかれ無く誘惑し、殺してきたんだろう? ほとんど表舞台で、舞を披露したことが無いお前が、次期シヴァ神候補だなんて、笑わせる。シヴァ神候補になるためには、それなりの実績が必要だ。と言うことは、裏の活動が秀でていたと云うことになる。お前を推薦したグランドマスターは、好き者で有名だが、あのグランドマスターとて、何もしないで落とせるほど甘い相手ではない。天使のような顔をしていて、やることは悪魔の手先そのものだな」
フィルビーはなおも執拗にセーヤに攻撃を加えた。
「今度はあのクベーラさまだって? まさかもう、殺したわけじゃないだろうな」
フィルビーは涙ぐむセーヤを放そうとせず、ヘルメスが止めに入らなければ、セーヤを殺してしまう勢いだった。
フィルビーからやっとの思いでセーヤを引き離した後、ヘルメスは泣きじゃくるセーヤをその胸に受けとめ、慰めた。そしてセーヤが落ち着きを取り戻すのを、じっと待ち続けた。
やっと落ち着きを取り戻したセーヤが、2人に語った指令は、意外なものだった。
「僕は暗殺指令なんて受けてません。ただ、クベーラさまをこの星から出すな、と言われただけです。僕は誰も殺していません」
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