第9話 英雄ルシファーの孤独

 宇宙連合軍最強の武将ルシファーは、先の宇宙戦争が終わってから、長らく心の病に取り憑かれていた。

 異世界との結界となっていた惑星シャンバラが、異世界からの攻撃により滅びようとしていたとき、結界を守るべくルシファーは精鋭を連れて救援に向かった。敵の大将を倒し、ルシファーはシャンバラ救援に成功したはずだった。しかしその後、救援部隊が帰還の途について、シャンバラを離れたとき、シャンバラはなぜか炎に包まれ大爆発を起こした。そして宇宙の塵となったのだが、その時、異世界からの侵入を

長きにわたり防いで来た結界も失われてしまったのだった。


 何が起こったのか、ルシファーにはいまだに理解できなかった。

 ルシファーは宇宙連合軍きっての最強の武将だったから、誰もルシファーを責めるものはいなかったのだが、そのことが逆にルシファーの心の重い負担となり、心の病を発症するきっかけとなった。


 ルシファーが休暇を過ごす場所として惑星テラを選んだ理由は、テラが宇宙の中心から遠く離れた、忘れられた星だったからだった。

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