第2話 遥香が推しだった
「和樹さん。おはようございます」
そう言って父さんに頭を下げるお姉さん。
遅れて女の子も父さんに頭を下げる。
「と、父さん。ま、まさかこの人が、、、」
俺は困惑しながら父さんに聞いた。
「あぁ。この人が瑞希さん。んで、こっちの子が遥香ちゃんだ。遥香ちゃんは今高校3年生だから、受験とかもあると思うが仲良くしてあげてくれ」
名前を呼ばれると同時に俺にお辞儀してくれる2人。
「自分の名前は優斗、です。これからよろしくお願いします」
恥ずかしがりながらも自己紹介をした。
それからは4人でご飯を食べ、軽く遊びに行った。
瑞希さんは俺に話しかけてくれたけど、遥香さんは恥ずかしいのか全く話しかけてくれなかった。
あの後家に帰って2人の荷物の整理を手伝った。
「優斗くん力があるのね。おばさんもう歳だから力なんてないわ、、、」
「いえいえ、自分から見たら瑞希さんそんなに歳には見えないですよ。とても綺麗だと思います」
瑞希さんはカフェの時に30後半と言っていたが
俺はそんな風には見えなかった。
「あら。嬉しい」
「あの、ところで瑞希さん。遥香さんって普段何してるんですか?」
俺は遥香さんと仲良くできるきっかけを探していた。
「遥香は基本1人でいるわ。部屋に行ったら話せるんじゃないかしら」
そう言われ遥香さんの部屋に行こうとした時だった。
「優斗くん。瑞希さんじゃなくて、母さん。わかった?」
俺は恥ずかしく、母さんと呼べなかったのだがやっぱり気にしてたらしい。
「か、母さん、」
俺はそう言い部屋を出た。
いや、恥ずかしすぎるだろ。
俺は何について話そうか考えながら遥香さんの部屋に向かっていた。
「優斗です。少し時間いいですか?」
俺は遥香さんの部屋のドアをノックしながら遥香さんに話しかけた。
数秒すると遥香さんが部屋から出てきた。
「なに。忙しいんだけど」
う、冷たい、、、これは打ち解けるまでに相当時間かかりそうだな、、、
「い、いや、少し話してみたいなって思って、、、」
俺は緊張しながらも遥香さんに話したいという旨を伝えた。
「ふーん、、、わかった。入っていいよ」
あ、、、いいんだ、、、
俺は緊張しながら部屋に入った。
「遥香さんの部屋、いい匂いしますね」
俺は何気にそんな事を呟いていた。
「多分香水の匂い。適当に座ってて。トイレ行ってくる」
「わ、わかりました」
俺はそう言われ遥香さんの部屋にあるちゃぶ台の近くに座った。
辺りを見渡してると絶対合格など受験に向けた気持ちが書かれた紙が壁にはられていた。
「さすが受験生だな、、、俺とは違ぇや、、、」
俺は中高一貫の学校に通ってるため受験なんて考えてなかった。
部屋を見渡してる時だった。
「ん、、、?なんだあれ、、、」
パソコン、、、マイク、、、え、、、待て。
これ配信機材じゃないか、、、?
部屋の端の方に箱がありマイクがはみ出ていたので気になり箱の中を見ると配信機材セットらしきものがあった。
見ていると部屋の扉が開いた。
「ちょ!優斗くんだめ、それは触らないで」
遥香さんが部屋に入ってきて慌てて箱を直す。
「遥香さん」
「はい」
「配信してるんですか」
「してないです」
「してますよね」
「はい。してます」
「見に行っていいですか」
「だめです」
「父さー、、」
「わーー!待ってわかったから!見に来ていいから!」
「名前教えてください」
「嫌だ」
「とう、、」
「咲希って名前です」
え、、、、?まてまててまて。咲希、、、!?
咲希は俺が推してる配信者の名前だ。
いや、まさかな。
「普段なんの配信してますか」
「ゲームとか、、、かな?」
ま、、、まさか、、、な。
「ど、どんなゲームですか」
「FPSとか、、、RPGとか、、、色々してるよ」
あー、、、、うん。咲希だ。
「あの」
「なに」
「推してます」
「押す、、、?何を?」
「遥香さんを」
「え、おすってアイドルとかをおすとかの?」
「はい」
「知ってくれてたの?」
「はい」
「そっか、嬉しい」
「びっくりしないんですね」
俺はびっくりすると思ってたんだが、、、全くビクともしてない。
「びっくりより嬉しいが強いかな」
そーなんだ、、、
「優斗くん。」
「はい」
「おねーちゃんって呼んで。敬語抜いて」
「ブラコンおねーちゃん」
「ち、、、ちがっ」
そう言いながらも顔赤くなってるんですけど、?
あっいいこと思いついた。
「遥香おねーちゃん!だいすき!」
「あああああああああああああああああ」
遥香おねーちゃんは叫びながら部屋を出ていった。
俺は過去に配信をしてたことがあった。
だから声を作ることも簡単で、ショタボ作ってからかったんだが、、、
「からかいすぎた」
俺は部屋を出ておねーちゃんを探しに行った。
再婚相手の連れ子が推しだった件 nemuhachi @nemuhachi
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