第7話 魔眼
「………………………え?」
俺のお願いに対して断ったナイに俺はしばらく固まってしまっていた。
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うん………………うん……………
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「いや、お前は来ないんかい!?」
レンは思わず叫び声のような声を出してしまう。
場の空気的にてっきりナイも来てくれるのかなと思っていたらまさかの来ないときた……………レンはてっきりナイが来ることを確信していたのにそれを断られたので恥ずかしさのあまり顔がタコのように赤く染まった。
(いやだって普通に考えたらナイと一緒に世界を周るって空気だったじゃん!?断られると思わなかったんだよ!?)
するとナイが「はははは、ごめんね」と言って笑い出した。
「僕はこの後
ナイは申し訳なさそうにレンに謝ってきた。
「いや別にあんたが謝んなくても………………」
するとナイが「はははは」と笑いながら口を開く、
「僕は君と一緒に行けないけど………………代わりに良い物をあげるよ」
「ん?良い物?」
そう言ってナイはまた不気味な笑みを漏らしながら言った。
「きっと君の力になるはずだよ………………だから君にあげるよ…………
「まがん?……………………え!?魔眼!?」
ナイの発言にレンは先程と同じようにまた驚いてしまった。
「おまっ!?何を!?」
「魔眼も知っているのかい?」
「そ、そりゃあ有名だからな!?学校で誰もが習ってるわ!?てか魔眼を俺に?……………は!?てか魔眼って渡したりすることってできるのかよ!?」
「はははは、確かに魔眼を渡す方法なんかは授業では習わないもんね」
「てかマジで出来んのかよ!?」
「うん、できるよ」
「ま、まじかよ!?ど、どうやって!?」
「魔眼をあげる……………言わば渡す方法は簡単だよ…………魔眼所持者の魔眼を抜き取って渡したい相手の目に入れるだけだよ……………簡単だろ?」
「……………………………え?」
(今なんかこいつとんでもないこと言わなかったか………………いや、いや言ったよな!?目を抜き取るとか目を入れるとか!?……………え?ちょっと待って………………てことは……………)
レンは今の話を聞いて腰を抜かしそうになってしまったが、レンは気づいてしまった、ナイがレンに
「も、もしかしてお前………………魔眼を俺の目に入れるつもりなのか?………………」
レンはそう言って手で両目を隠しながら後退りして少しだけナイから離れるように動いた。
するとナイが面白い物を見るように笑い出した。
「はははは、君は本当に面白いね!はははは、安心しなよ、君の目を入れ替えたりなんかしないから」
「ほ、ほんとに?」
「ほんとほんと」
ナイはそう言って話を続けた。
「魔眼を渡す方法はもう一つあるんだよ………………渡すとは少し違うな…………『
「は?……………ま、魔眼に変える……え!?どゆこと!?」
「はははは、すまないが僕もあまり時間がなくてね………………だからその説明はまたいつかってことで」
そしてナイが「じゃあ」と言って話を続ける。
「今から君に魔眼を捧げようとしたいんだけど………その前に君は『魔眼』についてどこまで知ってるのかな?」
「え、えーと、魔眼は最強の目であり、もともと人は誰しも……………ほとんどの人が持っている
「うん、正解だ。おまけに言えば魔眼の能力を使うと魔力を消費してしまうことと、使いすぎると一定の間目が見えなくなってしまうってとこかな。まあ魔眼によってはメリットとデメリットはそれぞれだけどね」
ナイは俺の答えに満足そうに頷きながら追加で説明してくれた。
「……………本当は君に
ナイの独り言?の発言にレンは聞きなれない言葉が出てきたので口に出してしまっていた。
「ん?『神眼』?………………ってなんだ?」
「いいや、なんでもないよ………………君には
そう言うとナイは「ちょっとこっちに来て」と言って俺を近くまで誘き寄せた。
「じゃあ…………………始めよっか」
「………………え!?今!?ここで!?早くない!?」
あまりに突然すぎてレンは驚いてしまった。
「大丈夫大丈夫、怖くないから。あ、目は瞑っててね」
「いやちょっと待って!?まだ心の準備が!?」
そう言ってナイが俺の両目を隠すかのように自分の手を俺の目に触れさせる。
するとナイが何かを思い出したかのように口を開いた。
「あ、言っとくけど、どんな能力になるかは僕もわからないから貰ってからのお楽しみってことで」
「え!?そうなn」
俺の話を遮ってナイが始めた…………………俺の瞳を『魔眼』に変えるために。
「ッ!?」
あ、熱い!?
ナイは俺の目に手で触れて魔力を直接俺の目だけに集中して入れているのがわかる。ただそれだけのことだ、それだけのことで自分の目が尋常じゃないほどの熱を持っているのを感じ取れるほど目が熱くなっていた。
「あ、ああ、あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!?!?」
時間が経つにつれ、目に熱だけではなく激痛が走り出していた。
レンはそのあまりにもの激痛に悲鳴のような叫び声を無様にも挙げてしまっていた。
だがどんなに苦しくても涙を流してもナイはそれを止めようとはしなかった。
ただただ時間が流れていくなかでレンに出来ることは泣き叫びながらひたすら我慢することしかなかった。
そして時間が経つことおよそ10分……………………。
「よし、終わったよ……………大丈夫かい?もう目を開けていいよ」
ナイの言葉が聞こえたと同時に俺は体から達成感を実感し、目を開けようとする……………が、その気力すら出ないでその場で「ばたん』と倒れてしまった。
「ありゃ………………大丈夫…………ではないみたいだね」
ナイは「仕方ないね」と言ってレンを近くのベンチにレンを運び、うつ伏せの姿勢にした。
「……………思ったより時間がかかったな…………それより彼の能力は……………………ッ!?……………驚いたな…………まさか
ナイはそう言うとまた不気味な笑みを漏らしながら愉快な笑い声を上げるのだった。
「はははは!最高だよ!レン!やっぱり君が
ナイは興奮を隠しきれないように盛大に笑った。
少し時間が経って冷静になったナイは「あっ」と、何かを思い出したようにまたあの不気味な笑みを漏らす。
「あ、そうだ!せっかく今気絶してくれてるから少しだけ
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「………楽しくなってきたね………レン…………君が僕にどんなものを見せてくれるのか……………楽しみにしてるよ…………それと
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