第10話 無温
心が上滑りしていてはすべてが無意味で、いくら彼女に触れても私の胸は台無しになってゆくばかり、彼女のなめらかな夢見るような体温すら私の表皮にとどまるばかりで、私の渇望するどこか奥深くまでは届かず、何も溶かし温まることなく、私はただひたすらに生きた心地を失ってゆくだけなのであった。私が呆然と彼女をいたわればいたわるほど、私は私が悲しいのかどうかさえもわからなくなってゆき、彼女は少しずつ癒やされ幸福になってゆくらしかった。
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