第13話軽やかな乙女の歌

 風が、鳴っている。

 涼しい、光の中を歩く、歩調は、アンプの向こうの世界。

 太陽の、響き渡る、幻想の花々を、なお、痛みが多くなっても、受け止めるくれる、生きる、いけた、花。声。聞こえる、聞き取れる。世界が、なお空を飛んで行っても、青い世界が、幻想のとばりを下ろした。劇の感激。海を渡る鳥たりが、劇の感激を待っている。君の澄んだ声。路上のため息。キスはストレートなミュージック。そう、ファンクで華麗な、ストリートの共演。プラトンの饗宴は華やぐ、世界の、並びゆく、清廉な乙女の声。純粋さの中に花を添える薔薇の横のコスモス。愛でる。勇気がある、君のナイト。すべての者から、ストレングスな声。「君を永遠に守りたい」「恐れないで」「そう、恐れることはない」「じゃあ、奪って」「そうだね、君が望むなら」そして、ナイトは君にひざまずく。感覚の高揚。高揚する瞳のままに、きらりと光る、繊細な瞳。キミの手の甲に口づけを交わした、ナイトは、白馬を駆る。戦い。剣それから、子守歌。宇宙に届いていく、君が助けを求めるなら、助ける前に、君の心を打つ。そう、愛の矢で。傷つける者から、永遠の兆しが、瞬間の証明になって、飛んでいく。ラブリーな君の横顔。ラブに満たされた君との至福の時間。止まる。キミとの時間の中で、忙しなく世界が狂ったとしても、君の瞳は、一つだけ。愛! とナイトは叫んで、姫を背中に乗せる。進む困難な、絶歌の正気と狂気の戯れ。破壊したいほど愛している。世界が崩壊したら、君を破壊する。そしてそのまま、楽園ではない、大地に立つ。守る。元型の叫びから。矛盾、しかし、パラドックス。隠された愛の上に破壊の愛が覆っている。詩神は歌う。破壊の果てに、忍耐は続き、薔薇となる。つぼむ。つぼんで、下を向く。大地が鳴っている、君のためになって、なっている。生命の樹が、実をつけて、赤い果実が落ちる時、君の涙も、落ちる。一粒の涙。きっとその涙の訳が、君のいきる理由。探してほしい。本当の古漏れ日が、どこから指してくるのか、「悪から。それは、真実」流れに身を任せてはいけない。自身の足で立ち、そして夢を語る。時に、涙とともに、愛を語る。歩いていく。手をつなぎ、そのまま詞の陰りの差す、ほの暗い、隙間から、はいってくる風。歌う、乙女。暗闇の中で。ダンサー・オン・ザ・ロード。爆裂する恋の熱狂。踊りあかした後は、余韻を残したまま、抱きしめあって、二人の道は、ダブルファンタジー。ジョン、ヨーコ。そして、可憐な乙女。三人目の子は。運命の恋人。破綻する激情家。可憐な乙女は、月を越えていく。そう、向かう時だ。 確かめるようにキスをして、想いを伝える。歌は続く、君が死んだら、君のためだけに、歌は続く、軽いステップ。踏み鳴らす足音。ヒールのこつこつとした音。それは誘惑の音。

紅い。あるいは、白い。または、金色。カラフルに染まりゆく空の彼方に、希望の飛行機は飛んでいく。その後をラブの形をしたピンクの雲が追っていく。それをまた追いかける、シャガールのアルルカン。かわいいリス。うたおう。軽く、宇宙の片隅にあるカフェで、また、踊る。踊りがやむまで、胸が躍る。二人で語りかあしたら、ドアを開けた瞬間にセックスをしよう。子供ができたら、きっとこう命名する。「ラブ」。または愛そして、望美。いずれにせよ、カフェを出たら、街を歩く、視線も気にせず腕を組んで、はねまわろう、心のリズムが、空さえ笑わせる。詩人そして、気丈なる姫。

さながらバイロンのように。越えていく。

例え、引き裂かれる運命に、あったとしても、孤独の絶歌は永遠に結ばれる。忘れない。この今の時を。ぬくもり、微笑み、そして、憐れみの形をした苦しみ。

叫ぶ、きずついても、叫ぶ。所詮、永遠は、一瞬をかすめ取っていく憧れだから。

ほら、ロスト。そして、歌う詩人はこう言った。


優しい「優しい優しい」君の歌声が好き。

 詩人は、もういない。

生命から降るハートマークに、全身を濡らして、雨の中で、君と交わった。

 獣のように。あるは天使のように。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る