第3話母性

 愛。

 そして、哀れみ。

 子供が泣いていた時に、そっと毛布を持ち上げて、招き入れるその優しいまなざし。

 清らかな、宇宙の中心で、眠りの中で、僕は夢を見た。

 そして、歌う。泣きながら、そっと励ますように、歌い泣く。

 僕は目をつぶった。

 そのまま、母が優しく頬にキスをする。

 僕は、覚えているよ。母が、僕が小さいころに、僕を本当に、愛してくれてたことを。

 ねえ、母さん。

 僕は、ここにいる。

 今でも、毛布の中でくるまっている、子供のままだ。

 楽園で踊る聖母。マリアのささやかな楽しみは、花を愛でること。そして、空に兆した愛の雨を、全身で浴びること。

 その意味は、子供は愛する母を守り、母は愛おしい子供を守り、そして、夜明けがやってきて、僕は立ち上がり、牛乳を飲む。教会のマリア。中央に💛MARKの救い。

 祈る。

 僕は祈る。

 教会を立ち去って、空を仰ぐ。

 僕は旅を続ける。

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