第2話ビリーザキッド
俺は、酒場で、飲んでいた。
美に耽り、酔いしれる孤独な時間を埋め合うように。
君は部屋の片隅で、祈っていた。そして僕は、死の中で、痛みの中で、悼む胸を、そっと目を閉じて、そっと、確かに開いた。正確に言えば、自由へと向かっていくバイクのエンジン音と、狂おしいほどの舞い踊るビリーのキッズたち。
錯乱の歌う孤独な太陽に戯れる、裸の楽園にある禁断の果実をきった僕は、光る天使だ。君は白い翼と、黄金の空。そして、あの友達、僕が愛したあの友達、うっとりと、うっとりと、支え切れないその重荷、ぼくが代わりに捧げられた、魂。それを食らう真実の蒼い獣。そして、鳥の声がした。
朝を迎える。僕は言う「おはようビリー」。「おはようレイジ」
昨晩の思い出は、愛に変わる。
僕らは、越えていく。様々な課題を正確に情熱的に、激しく、愛おしく、キッス。
ビリーが僕の頬にキスをした。それから、ブラックコーヒーを飲み、バターをたっぷり塗って、赤いイチゴのジャムを塗って、ゆっくりと、楽しむように、頬張ろう。それから、また愛し合おう。愛は永劫回帰。僕らの愛は、ビリーザキッドの早撃ちの銃。そこに込められているのは、ピンクの弾丸。一瞬にして消えてしまう情熱の火花。そして、香しい薔薇の花。ローズ。僕は黄金のローズを君にプレゼントする。ビリー、受け取ってくれる?
ありがとう、と聞こえた。
一緒にワイルドサイドを歩いていこう。
たとえ神が僕らを見放しても、共に荒野をいこう。
そこで、さらに激しくもっと狂おしく、愛し合おう。
誓わなくていいんだ。
僕は、酒場で、ただ、酒を飲んでいる、夢想家だから。
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