第26話 解決策

女王から聞いた話をまとめると、ベロニカとかいう闇堕ち修道女が女王と娘のニムリにかけた呪いをどうにか解いてくれないかという話だ。


「出来ることはやってみようと思うんで、まず呪印を見せて貰えますかね?」


呪印とは呪いをかけられた人にできる痣の様なもので、その呪印を消し去ることを呪いを解くことができる。


俺は早速懐から杖を取りだし、メモの呪いに関するページを開く。


「早速解いてくれるのだな、頼む」


そう言うと女王は寝巻きの前のボタンを上から1つ、またひとつと外していく。


「ちょちょちょっと待ってください!」


突然の脱衣に興奮……動揺を抑えきれない。


「何してるんですか!?」


「何とは? 呪印を見せようとしておるのだが……」


女王はキョトンとした表情でそう言ってみせる。


「えっと……呪印はどこにあるんですかね……?」


恐る恐る尋ねる俺にあっけらかんと


「胸の谷間だ」


一国の女王はそう言ってみせた。


「なるほど、では呪印を見せて頂こうとおもいまする」


俺に動揺はない。

当たり前だろう。

何を動揺することがあるのだろう。

女王と俺は言わば医者と患者。

その間に劣情など抱くことはない。

ただ呪印の全貌は今の研究では明らかになってはいない。もしかしたら、見ただけでは分からない可能性がある。…………となると、やはり触診を……だがしかし、下心なんかないのに……こんなこと提案したら疑われるだろうか……僕はただただエルフの森を救いたい。その一心だと言うのに。――そうか、疑われるかもしれないという疑念こそ、疑われる1番の要因に違いない。ならばこの素直な清い気持ちを告げようではないか、大丈夫…!! その後はみんなで楽しく食事でもしよう!


「おっぱいを揉ませてください、大好きなんです」


はい、誰か弁護士を呼んでください。黙秘権を酷使します。




裁判は後としてレネとアンの厳しい監視の元、俺は女王の呪印の調査をはじめた。


「あぁ、これなら」


俺は右手に持っていた杖の先を呪印にくっつける。


そして左手を腰に当て体を左に捻る。


「自戒せよ【パドゥーニ】」


解呪の呪文の中では基本中の基本であるが、ジレント式を使うことによってその効力は上級にまで引き上げられる。


「まさか、この呪いをその魔法で解呪したというのか!?」


女王はまっさらになった胸元をさする。


「魔法に長けた種族である我らエルフ族ですら、この呪いを解くことができずにいたというのに……、お前は一体何者なのだ」


「えっと、まぁちょっとだけ魔法のコツを掴んでるってだけで」


正直これはジレントの中では大分簡単な方の魔法式ではあるが……それを言ったらなんか嫌な感じになりそうだから、やめとこう。


簡単…………そう、簡単だった。


確かに普通の魔法では解くことはかなり難しいかもしれないが、できない事はない。


何せまだ上級の範囲内の話だからだ。


魔王軍幹部がこんな生ぬるい魔法で済ますものなのか…………?


「まさか……」


俺は自身の感覚を魔法感知に集中させる。説明しよう、こうすることによってより周りにいる人の魔力を細部まで感知できるようになるのだ。


今回は二ムリ一人に集中させる。


「…………すぅー」


「どうしたんだや?」


俺の異変をアンは敏感に感じ取る。


「いや、これはちょっと………………」


凄まじく濁り切った真っ暗なオーラが二ムリの体から放たれる。


この呪いは死人がでるな。








《あとがき》


遅くなって申し訳ありません!!!!!!


この作品が気になった方はぜひ、評価、フォロー、コメントしてくださるとすっごく嬉しいです!


あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いします



次回は1月 8日 日曜日の12時13分に投稿します。

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