あれ、うちの学校やばい?

「なな、なんてこと言うのー⁉︎」

ひどいひどい、と言いながらぴょんぴょんと跳ねて反抗してくる佐藤さん。

「よくこんな部活が学校でまかり通って通るよな…。」

「いや、まあ今日出来たばっかの部活だしね。」

「ああ、そうなのか…って、ん?」

なんか今、変なこと言わなかったか?僕が変な顔をしていたのだろう。佐藤さんは僕に補足で説明してくれた。

「だからー、今日入学式だったじゃん?新入生の私が作った部活なんて、今日出来たに決まってるじゃん。」

「………。」

いや、同級生かよ。よくそんな話が通ったよな…。

「入学早々にこんな頭おかしい部活よく作る気になったよな。」

「えへへ…♪」

「褒めてない褒めてない。」

佐藤さんは照れたように笑うが、かなり抜けてるんだろう。

「いやー、先生に『砂糖部作りたいです!』って言ったら、」『あー、茶道部ねー。いいよー。』って言ってくれたから!」

「先生も勘違いしてんじゃねえか‼︎」

な、なんという怒涛のボケラッシュ…。疲れた…。

てか、この部室の扉に【作法室】って書いてあるのはそれが原因か。

「そもそもだが、佐藤さん。部活の申請には部員が5人必要、とかルールがあったりはしなかったのか?」

アニメなどでは定番のルールだろう。僕もそのために、入部させられそうになっているのだろうか?

「いや、そこは私が学年トップで入学したから特別ルールで免除されちゃった…。」

そう言うと、シュンとうなだれてしまう佐藤さん。てか、こんなにアホそうなのに学年トップなのか…。大丈夫か、この学校?

「…部活ができたなら、良かったんじゃないのか?」

なんでちょっと落ち込んでるんだろうか。

「んん、違うでしょー!」

佐藤さんは手をバタバタさせて僕に言う。

「ここでメンバーを集めるところがアニメっぽくていいんじゃん!」

「………⁉︎」

こいつ、まさか…。

「わかる、わかるぞ佐藤さん‼︎」

「ふひゃ⁉︎」

僕が思わず佐藤さんの手を握ると、驚かれてしまった。まあ、そんなことはどうでもいい。

「もしかして、こんなに部活の名前が変なのもアニメの影響なんじゃないか⁉︎」

「…‼︎ 塩谷くん、わかった? わかっちゃったー⁉︎」

佐藤さんはパアッと顔を輝かせると、うんうんと頷く。

「私、アニメみたいな高校生活送るために部活を作ったの!」

「やっぱり…!」

10年前くらいのアニメが好きな人はわかるだろうか?なぜか変な部活が学校にある設定のラノベが多かったことを…!(ちなみに主人公は大体目付き悪い。)

「…やっぱり、私が塩谷くんを部活に勧誘したのは間違ってなかったんだね?」佐藤さんは良かった、と呟く。

そういえば、なんで佐藤さんは僕を部活に誘ってきたんだ?

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砂糖部の佐藤さん ぐらにゅー島 @guranyu-to-

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