第2話 かばってくれたの…?

しばらくそんな考え事をしていると、斜め後ろからヒソヒソ話がきこえてくる。「マジないわー。授業サボって、隣の雪斗くんにノート見せてもらうとか」「マジそれな。ウザイよね毎回だし。」私は体を小さくさせた。以前、視線恐怖症のことをクラスでカミングアウトしたら、からかわれたことがあってそれ以来カミングアウトはしていない。田中さんと中山さんにサボってると思われても仕方ない。保健室には、視線恐怖症が酷くなった時に行っているので頻度は多い。すると、隣の席の谷戸が斜めに振り向き、睨んだ。「人には言えない事情があるんだよ。瀬川には。」と低く言った。それでも、田中さんと中山さんは「でも、なんかずるいじゃん。病気とか関係なくね?入学したんだからしっかり授業うければいいのに。」と私を睨んだ。また、谷戸がなにか言おうとすると、ため息をついて2人は「もういいや。じゃあね、瀬川さん。」と私を見て前髪をなおしながらトイレへ向かっていった。私はおもわず、「かばってくれたの?」と聞いていた。谷戸は「そんなわけ。」と答えたが、耳が少し赤いのは気のせいだろうか。

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