応援コメント

九月二十一日」への応援コメント

  • わ...終わってしまいました。読み切ったという達成感とサラさんと華憐ちゃんに会えないのかという喪失感とハッピーエンドで良かったという安堵が同時に襲ってきて頭がゴチャゴチャになっていますが、とりあえずせっかくなので読後感想を。長文、乱文お許しください。


    思えばテンポが特徴的な話でした。というのも、主人公サラさんのツッコミが冴えているから。サラさん以外が結構ボケるので日常パート(大学での何気ないやりとりとか)がコミカルで笑えました。いつぞやの紹介レビューにも書かせていただいたと思いますが、とにかく会話がリアルで。あー普段こんな会話してるわ〜と親近感が湧きます。なのにシリアスなパートは得体の知れない恐怖を植え付けられるんですよね。数ヶ月時間が経っても忘れられないというか。華憐ちゃんが自分の腕を鉈で切ってくところとか、淡々としているからすごいホラーなわけで。普段との温度差が激しくて風邪ひきます。(←誉めているつもりです。誤解を招いたなら申し訳ありません)でも、シリアスとコミカルが同時に来ることで全然飽きないしシリアスが緩和されるんですよね。甘いもの食べたいあと辛いもの食べたい柿ピーチョコ理論と同じだと思います。

    あと、そうだ、キャラクターが等身大だと思いました。華憐ちゃんは死ねないというファンタジックな設定を持つけれど、それを抜きで考えると、大人びているけど幼さも残る女の子なんだという印象に落ち着きました。そして「好きにしろ」の言い方がすごい好き。ふいとそっぽをむいて、少し顔を赤くして言っているんじゃないかな、と解像度が高い映像が目に浮かびました。サブキャラも魅力的で、愛莉さん、すごく好きだなあ。所謂負けヒロインなのでしょうが、その枠に収まらないというか、サラさんに慰めてというシーンはサラさんが自分以外に好きな人がいるけれど自分はサラさんのことが好きで、自暴自棄気味になっているけれど、でも本当はそんなことは望んでないんだろうなという複雑な感情が伝わってきました。その苦しさわかる〜〜〜って共感できると言えば良いんでしょうか。

    あと、語る上で外せないのがヨンリオのキャラたち。みんな個性強くないですか!?一見サンリオのようなふわふわ可愛いメルヘンだと思ったら設定バイオレンスすぎません?サラさんのいう通り、ヨンリオの世界観がわかりません。ほんと、どこ目指してるの笑。この世界にもピューロランドたるものがあれば、どんなテーマパークなんでしょうかね。カオスになる予感...!!!

    このお話は世界を救うとか、強大な悪の組織と戦うなどといった、壮大で派手なお話ではないんですけど、小さくて飾らない、ちょっぴり儚い美しさを表現したお話だと思います。例えていうなら、顔を上げた時めっちゃ綺麗な夕焼けの空が広がっていたり、ふと視線を落としたときに道端に素敵な花が咲いていたりしたときみたいな気分です。エモいとはちょっと違うけど、細やかな幸せを噛み締めるというか、嬉しい気分になれるというか。出会えて良かったなあ、見つけられて良かったなあ、と思います。非日常を体験できる話も好きだけど、このお話のような、私たちがいるリアルの延長線上にありそうな物語の方が好きです。サラさんの目を通して、サラさんたちの日常を覗き見した気分です。

    長文、乱文失礼しました。そして最後に一言。完結、おめでとうございます!お疲れ様でした!

    作者からの返信

     最期までお読み頂き、ありがとうございます!
     ヨンリオキャラクターたちも含めて、どのキャラクターも愛情を込めて作り上げたので、それを魅力的と言って頂けるのはとっても嬉しいです……!
    『顔を上げた時めっちゃ綺麗な夕焼けの空が広がっていたり、ふと視線を落としたときに道端に素敵な花が咲いていたりしたときみたいな気分です。』
     この例え、本当に素敵だと感じたので引用させて頂きました。
     そうですね。このお話は、世界を救っちゃうような壮大なお話ではなくて、ひと夏の間に起きた、小さな小さな恋物語です。夏椿のような、可憐で儚い雰囲気を表現するにはどうしたらいいものかと、とても悩みながら書き上げたので、その雰囲気が少しでも伝わっていれば幸いです。
     紹介レビューから、今回の感想まで、本当にありがとうございます。唯野木さんの愛のある文章は、とても励みになっていました。
     いつになるかはわかりませんが、宜しければ、次回作の女バディものも楽しみにして頂けると幸いにございます。
     改めて、本当にありがとうございます。