第46話 お昼はやっぱり
一時間目の数学は自習になってしまったが、二時間目からは通常授業が始まり、早速高校の範囲を習い始める。
中学でも軽く触れてた部分ではあったけど、これがガチな進学校だと恐らくもっとペースが早くて、春休みに課題とかもガチで出されて、その先からスタートも当たり前らしいので、その辺はやはり身の丈にあった高校を選んだ俺は間違ってなかったかもしれない。
まあ、それ以外にもこの学校は色んな資格を取りやすい(手続的な意味で)ので、選んだのだが、それにし
ても水瀬さんは文系の人間なのだろうと言う事が午前中でよく分かった。
国語、英語なんかは特に凄い。
初めて会った時に、外国人に道を教えたいた時にも、かなり流暢に話していたけど、古文なんかも好きなのかスラスラと答えていた。
「くぁー、昼だ昼だー」
そうして水瀬さんの凄さを実感しつつ、俺もそこそこ授業に集中(水瀬さんの存在のお陰)していると、気がつければお昼休みに。
何度も寝ては、水瀬さんや先生に注意を受けていた岡田が実によく寝たと言わんばかりに体を解していたが……よくもまあ、懲りずに寝られるものだとある意味関心もしてしまう。
「春斗、今日はどうすんだ?」
「んー、そうだね」
チラッと水瀬さんを見ると、彼女も教材を片付けてお弁当を準備していたので視線で『いつもの場所で』と伝えてみると、驚いてことに伝わったのか嬉しそうに軽く頷く水瀬さん。
まさか伝わるとは思ってなかったけど、水瀬さんとの距離の前身には違いないのでそれを喜ばしく思いながら水瀬さんを見送ってから言った。
「先約があるから、そっちに行くかな」
「先約なら仕方ねぇなー」
「岡田は彼女さんとはお昼良いの?」
「残念なことに、昼はしばらく友達と過ごすそうだ」
そう言いながらも、そこまで残念そうな様子がない岡田。
「本当に残念がってる?」
「当たり前だろ?俺の顔を見てくれ」
「全く残念そうには見えないね。まあ、岡田が大丈夫ならいいけど」
まあ、岡田の場合は彼女さんと一緒に居る時間が比較的長いので、多少離れても気にならないのかもしれない。
幼なじみで、恐らく恋人歴も長く、家同士の付き合いとかもあるのだろうし、その辺は羨ましくもなくはないが、俺としては今こうして水瀬さんと一緒に居たい気持ちを抱けることを幸福に感じるので不思議だ。
「さてさて、今日は弁当以外にもカップ麺三つ買ったしお湯でも貰ってくるかー」
……にしても、よく食べるなぁ。
俺もそこそこ食べる方だけど、やはり運動してる奴はよく食べる傾向にあるのだろうかと不思議にもなるが、アスリートであればもう少し考えて食べるだろうし、その辺はやはり天才なりの考え方なのかもしれないと、深くは考えないようにした。
そんな事より水瀬さんの元に行かないとね。
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