か、彼女じゃないですぅ!!!!!

「で、実際どうなの?」

長いとも短いとも言える髪の毛をギュッと押さえつけて縛りながら百合愛さんが言った。俺はホェッと変な声を出してしまう。

「…何の話ですか?」

俺は百合愛さんが作ってきてくれた唐揚げ弁当のご飯を食べながら言う。百合愛さんは趣味が料理作りなのでバイトの度にお弁当を持ってきてくれる。ッちょ、今これ読んでくれてる君、百合愛さんは空斗の彼女なの~って言った!?ち、ちげぇ!

「空斗くんの幼馴染のことだよぉ。もぉー、ホントは分かってたくせにぃ。んで、花奈ちゃんって子と付き合ってんの?」

百合愛さんがついさっき結び直した髪の毛をピョンッと揺らしながら笑う。いや、主語がなさすぎてホントに分かんなかったんだけど。…ま、それは置いといて。

「だーかーらー。どうもこうもないですってばぁ!百合愛さん、しつこいですぅ!」

休憩時間になって10分がたった。百合愛さんはこの質問を3分に1回のペースで聞いてくる。花奈は実際俺の彼女なのか、相当興味があるらしい。違うけど。百合愛さんのことを悪く言う気はないけど、やっぱり女は恋愛に関して面倒くさい。ダイエットを始めたらしい百合愛さんはモシャモシャとレタスを口にくわえた。リスみたいに口をパンパンにしている百合愛さんは何だか可愛い。

「でも空斗くん。花奈ちゃんのこと、好きでしょ?」

百合愛さんが俺のことを上目遣いで見る。うわ、それ反則じゃねぇかよ。青い瞳はうるんでいてキラキラしていた。切なそうに眉を下げる百合愛さんはすごくきれいな仕草で落ちてきた髪の毛を耳にかけた。これをきれいではないという人は世界にいないんじゃないか。The・女性という感じの母性に包まれた愛らしい笑顔を見てしまえば男性はもうイチコロだ。…俺は花奈のことが好きだけど(花奈を好きになる前に百合愛さんを見たら話は変わるが)。

「えぇ、そんな風に見えてます?違いますって。」

実際好きだけど、驚いたように目を見開かせる。ボロがでないように余裕を持って。…結構緊張するな。百合愛さんはパックの野菜ジュースにストローをぶっさしてから飲み始めた。少しホッとしたような表情をしたのは思い違いだろうか。…百合愛さん、好きな人いるのかな…?ストローから口を離すと百合愛さんはフフッと穏やかに笑った。

「花奈ちゃん、可愛い…もんね。すっごい美人。一緒にいた女の子も可愛かったけど、メイクのしすぎ。花奈ちゃんみたいにナチュラルメイクの方がいいわ。」

なぜか悔しそうに言った後、百合愛さんは熱くメイクについて語りだした。

「花奈ちゃんは絶対に派手なメイクはさせちゃダメ!本来の美しさが消えちゃうもん。あの子、お洒落について分かってるよね。でもさぁ、次からは目の上のラメを青色にしておいてよ。その方が可愛いよ。目の大きさを際立たせることができるから!」

百合愛さんはすごく頭が良い。この前百合愛さんが、俺に初めて会った時の洋服を覚えているって言っていた。天才だろ(なんで俺が自慢してんだろwww)。

「…はい、分かりました。百合愛さん、それよりもお弁当、めちゃくちゃ美味いです!」

百合愛さんはメイクの話を中断させて嬉しそうに白い歯(ちょっと銀歯があるけど)を見せて笑った。

「でしょっ!隠し味にバナナ入れてるのよ!」

へぇっ!唐揚げにバナナ入れてこんなに美味しいんだ!スゲェ。

「君の彼女ちゃんに伝授しておいてもいいよ?」

はーい…。って彼女ちゃんって…!?

「だ・か・ら~。か、彼女じゃないですぅ!!!!!」

何度も言われるが好きなんだから悪い気はしない。でもからかわれると悔しい。違うって言ってんだろぉ~!花奈が聞いたらどうすんだよ!気まずくてぎこちない関係になっちゃうだろーが!好きな人と話せない苦痛を味わいたくないんだ~~~!聞いてるか花奈。俺は花奈を愛してる!!!心の中で花奈に伝える。…って、恥ずッ!

                    <第6話目おしまい>



こんにちは!夢色ガラスです!皆さん読んでくださりありがとうございました!第7話目も楽しみにしていてください!

本題に入ります。物語の中の百合愛さんは唐揚げにバナナを入れていましたが、これは私も挑戦したことがないし美味しいか分からないので気を付けてください!美味しいことを知ってる方はレシピください、気になりますwww。

…ってことが言いたかったです。アドバイスを頂けたら嬉しいです。それでは長文失礼しました。

では…また会いましょう!


















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