第6話 我慢

 家に帰っても、私の猫愛は冷めなかった。

「ただいまー。いやぁ、かわいかったぁー! 見て見て、この写真!」

 彼に今日撮ってきた戦利品とも呼べる画像を見せつける。

「わかったわかった! みーちゃん落ち着いてっ」

「ほら! これこれ!」

 触ってもいないのに、私はこの調子だ。


 …………。


 そう。触っていない。

 私は我慢したのだ。彼のために。

 だって。もしかしたら間接的に、アレルギー症状がでちゃうかもしれないし……。

 だから――がまん、した。



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