第5話 眠る子猫

 ようやくカップルたちがいなくなった。

「よし」

 私はごくんと唾を呑みこみ、ガラスのショーケースへと迫った。

「ほぉわぁ……」

 わずか数センチ先に。

 薄いガラスの向こう側に。

 子猫たちがいる。いや、すやすやと眠っている。カップルたちを相手にして疲れたのかな?

「はぁ……」

 ダーメだ。感嘆のため息オンパレード。これが眼福ってやつかぁ〜。くぅ〜。

「――あ!」

 今、ビクッて耳が動いた。

 いや、可愛すぎじゃない? もうこのまま連れて帰りたいんだけど。ダメか、ダメだよね……。



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