読み終えて、過った言葉はサスペンス・ホラー。
　マイナンバーが導入される以前より、人間を支配するのに人間を番号で管理する陰謀論は一昔前からあったそうで、コミック版『仮面ライダー』ではショッカーが日本政府の計画する国民をコードで管理する政策を利用し、「10月計画（オクトーバープロジェクト）」を計画するのですが、日本でマイナンバーが通知されたのが平成27年10月以降でした。
　まさか……。というようなことが現実にあるのですね。
　そして、邑楽様が書かれたのは、最初から番号で人生すら決められているというもので、ゾクッとさせられました。
　勘の良すぎる主人公は、コードを見続けることで段々と、その法則に気が付く。知りたくなくても、仕事だからしなければならないし、その過程で更に知ってはいけないことを次々と知っていく。
　このじわじわとくる感じが、精神的にくる怖さが良いですね。最後は拳銃で脳天をブチ抜かれる。ホラーらしい救いのないラストで面白かったです。