第6話
細身のスーツに身を包んだ
「皆聞こえてる?今加賀美の家の前についた。
「おう」
「うん」
「ばっちりっす!」
「大丈夫だよ」
「ちょ、
「それも含め大丈夫だから!」
「……もう……あっ、
「ふふっ、任せて。この会話に参加できない程度には“保護”してあるから」
「ん゛ーっ!!」
「ほらね、大丈夫でしょ?」
「よし。これで心置きなく乗り込める。あっ……加賀美来ちゃうから、後は予定通り、お願い……」
『世界樹のホワイトボード』が示していた通り、加賀美と
「決行日……にしては皆普通なんっすね?」
「まあ、洒落込んでも動き難いしね」
「俺も動きやすさ重視」
「あっ、いや、何ていうか、黒づくめとか、迷彩柄とかのイメージあるじゃないっすか?」
「はっ、ルキってばそういう系?カタチから入りたかったんなら先に言ってよ?俺、真っ黒なハイパースーツみたいなやつとか、迷彩のセットアップとか持ってたのに」
「あっ、じゃあさ、コレは嬉しいんじゃない?インカム!実はさ、俺もこれにはテンションアガったの!まじ、スパイとかそんな感じでイイよね?」
「じゃあ
「
「ぶはっ……あっ、いや、何でもないです。ちょっと、んんっ……そう!くしゃみ。くしゃみが出そうに……ごめんなさい」
*
そうこうしているうちに
「それね、素敵でしょ?私の生き別れにそっくりなの。だからね、うふっ、人間なんて……ってずうっと嫌悪していたけど、こうして
そういいながら加賀美は
「う、運命かも……ですね?あっと、そうだ!早くあれを見せてくださいよ。僕、あの
ずっと愛用しているんです!だから企業秘密の製造過程を見せてもらえるのが楽しみ過ぎて、昨日眠れなかったんですよ?」
「なあに?そんなに焦らなくてもいいじゃない……」
「いやっ……あっ、そう、他にも、楽しみはあるし……ね?」
目的を果たし、一刻も早くここから去りたい
「わかったわ。こっちよ……いらっしゃい?」
すでに
「ここにね、隠し扉があるの。この先には誰も入れたことがないのよ。だから
加賀美はそう言いながら壁に飾られたオブジェを弄る。するとそのすぐ横の壁にドアのカタチが浮かび上がってきた。再びもよおした吐き気を堪えながら驚く
「紹介するわね。私の部下の天使ちゃんよ。部下っていうか、元部下ね。もう随分と前に自我もなくなっちゃったし、面白味のないペットみたいな存在なの。ご挨拶も出来なくてごめんなさいね?」
悪気の全く感じられない声色で加賀美が紹介したのは、部屋の中で吊るされている
「……予想通りだった。
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