第3話
初めてお邪魔する他人の家で物珍しそうにキョロキョロとする程
それに「世界樹」というのだから、こう、開けた草原の真ん中だとか、地平線の延長線上の様な場所にあると普通に考えていた
「えっ?まじで?」
「うわあ。そういうことか」
先の方でガチャリという音がすると、先頭を歩いていた
普通の。そう、いたって「普通」のドアを開けると、
「へえ、7人揃うと……ってこういうことだったんだ」
「いつもよりさ、めっちゃわかりやすいね」
「は?いつも?いつもと全然違うじゃん!」
「そうそう、これにはいつも……って最近来てなかったけど」
「えっ?
「僕も最近来てなかった」
「えっ?レンレンも?じゃあどうやって……」
「わかる。だって見に来たとて何の参考にもなんねーし」
部屋の奥に置かれたホワイトボードには相関図の様なものが書かれている。それを囲み、
「世界樹……要素は?」
「ああそうだよね、初めての事ばっかでやっぱ驚いてるカンジ?」
「まあ……ってか、もちろん、というか……」
6人から少し離れた所で呆けていた
「みんな、ほら、
「説明ってか、んなの、俺らも良く分かってねーのにできなくね?」
「確かに」
「いや、でも
「うんうん。面倒く……じゃなくて、そういう大事なとこは
「
「まあ、見てわかる通り、こちらが“世界樹のホワイトボード”となっております。おっと、初めてここに来た
「そのまんまじゃん。ってか、ここそのものが世界樹?だって俺、よく行く
「あーっと、まあそれは追々でも大丈夫だから、安心して?」
そんなツッコミが来ることはわかりきっていたとばかりに
「んでね、このホワイトボードには毎回依頼とか、指示がきているのですよ。でもね、
「あ、は……はい」
「おけ。じゃ、続けるね。で、なんで今回はみんながこんなに驚いてるかって言うと、この相関図。これ、今までこんなに詳細じゃなかったのさ。しかも、見てみ?ほら、これステータスカードになってからね?」
「まじか!えっ?俺のは?」
「やば、俺のも見してよ……」
「ちょ、
「ごめんごめん。こいつらもコレ見るの初めてだからさ。さあ、どれどれ……ルキのスペックはっと……
「あ、あの……さっきから、全くもって意味がわかんないままなんですけど」
「だよね。ルキはさ、ゲームとかやらんの?それか、異世界転生系の漫画読んだり」
「人並みには……って、だって、それ、俺の写真で……ステータスとか。えっ?俺、転生……ってことは死……」
「それは大丈夫。転生してないし、死んでもないから。ってか、知らなかっただけで、ルキは元々こっちだから」
「ねー、
「それな?ステータスとか、マジもんのそれじゃん。俺、ここにきて今がいっちゃんアガってるかも!あっ、でも
「は?何それ。俺が
「
「へー、マジでアレみたいだね。ポケ……」
「皆まで言うな。俺もそれ思ったけど、自分ごととなると、何か切ないし」
「確かに。まあ、でもありがたいか。これ、もちろん
「ぽいね。まあ、ルキは
「これさ、大事な所なのに約ってのがウケるね」
「あれじゃん?これは時間表記で、精密に言えば分単位で使ってるから……とか?」
「なるほど。したら……あれだ。まだ使ってないはずの
「
「いや、俺、今22歳っす……」
横入りした
「うっわ、まじか。ってことはルキ、どっかで絶対使っちゃってるね……」
「確かに。約2年分か……せめてこの
「ねえねえ、
「……いや、僕はそうでもないですよ」
専門用語の飛び交う会話を理解できず、やや涙目な
「
仕切り直しとばかりに
「えっ!待って!これ……
「うわあ。俺、鳥肌立った!ってことはさ、これ、
「やばあ。しょっぱなから感動増し増しやん」
「やる気でますね!」
「ってことは
「あっ、全然、そんなことはないんですけど……」
「はい、ストップ。俺ももちろん驚いてるけど、ここで一番驚いてるのは、今一番状況が理解できてないルキなんだからさ、一先ず皆は黙ってよっか」
「妹ちゃん絡んでるとなると、焦るかもだけど……それが一番危険だし、ゴメンけど、ルキもとりま一通り俺らと一緒に確認して、何回も言うけどさ、実践しちゃった方が早くナレルと思うから……」
何かのワードに引っかかる度に脱線していく6人の会話は、
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