第4話
『世界樹のホワイトボード』に展開されている相関図は、まさに刑事ドラマでよく見かける様なそれで、一つ違うのは
「もう……3人は放っとくか」
諦めた声で
「それにしても、こう、誰が誰に対応すればいいのかわかるのは良いね」
「ホント便利。前まで明らか手書きだったじゃん?あの、きったねー字と下手くそな似顔絵で……」
「そうそう、絵が下手すぎて俺と
「これなら間違いようがないもんな。しかも標的……わかりやすっ!」
「この
「まあ、そうだろうね。こんだけ真ん中に貼られてるし、ルキの妹ちゃんとも関係ありそうだし……ルキさあ、この
「いや……初めて見る顔……っすね」
まだほんの上澄だったとしても、知れば知るほど理解が遠のいていく感覚に襲われている
「
「心配かもしれねーけどさ、今までのどんな状況の時も、このホワイトボード上に登場するのは、生きてるヒトだったから、そこは安心しときなよ」
「とりま、
「いや、ワンチャン
「だとしたら焦るわ。俺、結構責任重大じゃんね」
「まあ、
「おっ、そうか。じゃあ、任せとけ」
「ねえ、
そんな
「まんまだったね。じゃあさ、
「それがさ、まだ約750とかあった。もっと無いかと思ってたけど、意外とあったわ」
「でも流石に
「それは、やっぱりもう無かったけど。まあ覚えてない時点でそんな気はしてたよね……って
「俺の
「やっぱねー」
「何かふつー。想像の範疇。もう一捻りのネーミングセンスが欲しかったなあ」
「あっ、お前さ、
「
「いーじゃんか。早よ」
「俺も
「ん、俺もそんくらい……そっか。じゃあ、
「ってかさ、今まで何となくの知識で来たけど、この
「確かに。そういうもんだと思って今までやってきたけどさ、いざこうやって数字で見ちゃうとね。たまに増えてたりして?」
「いやいや!ちゃんと気を付けよう?マジで、ゼロは、ダメだから!!」
「
「別に。いつもと変わんねーし……」
「あのー、お取込み中の所申し訳ないんだけど……そろそろ俺も……」
「そうっ!そうだよ。ルキのこと忘れて……じゃなかった、まずはさ、ルキじゃんか!」
「ごめんごめん。ぶっちゃけ一瞬忘れてた」
「確かに。何度も置いてけぼりにしてごめんね?いやあ、俺らもさ、何せ、やっぱテンション上がっちゃうもんで」
「大丈夫です。確かに、さっきまでは不安の方が勝ってて、知らないことばっかだし、わかんないとイラつくし、
「おしっ、ルキ、よく言った!」
「ふふっ、
「いいじゃんか。もう、ルキがやるっつってんだから、俺らが邪魔しちゃいけねーよ。第一、今回は確実にルキのための物語で、ルキはきっとヒーローなんだから」
「
「その、ヒーローがどうとかはどうでもいいので、とりあえず……大事な所だけ教えてもらって、俺は何か訓練?するんですよね?それ、なる早で始めたいっす!!」
「お、おう……じゃあ、えっと……」
急に圧を増した
「なんだよお、笑うなし。ねえ、
「そうだな……大事なとこは、やっぱ
「イノウ……?」
「え?マジ?そこからだった?」
「うん。そうだよね。
「はあ……」
「ちなみに他は
「うん」
「あとは、
「なんか、またゴメン……んっと、またまた気を取り直して続けるね、あっと、そうだ、
「思い出?って普通の?思い出のこと?」
「普通じゃない思い出ってのを知らんけど」
「うん、まあ、
「え?この……
「ああ、それ?多分俺らももとは種族:ヒトだったはずだけど、
「けっこうチカラ使っちゃったしね?」
「だね、しょうがない」
「そんな……軽くないっすか?ヒトじゃない……人外って、人間じゃない……?」
「そっか、やっぱヒトだとそういう反応だよね?」
「あっ、ごめんなさい」
「全然。俺らは大丈夫だけどさ、そんな感じだと、やっぱ
「……その、チカラ使うのって、そんなに切羽詰まって……というか、皆さんは自分のチカラを使って代償を払うのも厭わない程の……ってことですよね?」
「いや、今回みたいな感じはほぼなかったよね?俺ら、
「そうそう、迷い犬探しとか、脱走犬保護とか」
「
「まあ、でも、そんな感じで、命に別状ないというか、今回よりは大分ラフな依頼だね」
「え?そんなことで、人間辞めた……ってこと?」
「ははっ、確かに。そう言われたら俺らやばいね」
「でもさ、俺ができる事をやったら喜ぶ人がいて、その代償が俺だけで済むなら、別にいっかなって。それに、どんなにチカラ使っても、こいつらのことは忘れないから。自分の思い出、ってか過去のことなんて、いよいよどうでもいいわ」
「よっ、流石ヒーロー!」
「茶化すなよ!マジで、俺はお前らさえ……ってもう言わん!」
「でもそれ、本当に自己犠牲ってか、ヒーローのそれなんじゃ……」
「あっ!でもマジで、だからって無暗矢鱈にチカラ使うんじゃねーぞ!!これは、ルキだけじゃなくて、そこ、
照れた
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