第2話 目標達成???
さて、こういう時(異世界転生をした時)、慌てて行動するのが1番の悪手。常に冷静に、視野を広く、頭を働かせて、お腹空いたな、慎重に動くべきなのだからまずはメシを探そう。
まずは外に出て気づく。"山小屋のようなところ”は結局、山小屋であった。しかし、大した標高では無いようだ。どちらかと言えば丘といった感じだろうか。丘小屋である(?)。平地を見下ろすとどうやら村がある。あそこに行けば人に会えて何か情報が聞けるだろう。ついでにメシを恵んでもらおう。情報のついでに、だ。今はとんこつラーメンの口だ。
普段の運動不足が祟ってあまりにも村に近づかないので考え事を続けた。服装は異世界風味な村人の服装、という感じであった。なんとも曖昧な物言いだが何しろ未だに人っ子一人会えていないのだから仕方ない。
今のところ自分の恐れていることは無さそうであった。1番大切なのはこの異世界の難易度だ。異世界転生物にはたまに恐ろしい程主人公が可哀想な目に遭う作品がある。モンスター1匹倒すのに毎回瀕死になるやつである。読んでる分には愉快極まりないエンターテインメントではあるが生身であればあれは嫌だ。最悪である。最も悪い。大切なことは言い方を変えて2度言うものだ。
そんな事を考えていると村に辿り着いた。歩いてきたのに息も絶え絶えである。自分の可能性に震えた。死因が運動不足という恐ろしい可能性だが。とりあえず村人に話しかけよう。ちょうど門のようなところに1人男が立っている。服装は自分のものと大変似ている。
「あの〜ここって、どういう世界、いや、えーと、どういう村ですかね?迷子になってしまって」
まずい。考え事が前のめりすぎた。あとコミュ力は死んでいる。
「ここは始まりの村さ」
「始まりの村って変わった名前っすね〜何が始まったんすか?」
「ここは始まりの村さ」
「あの?」
「ここは始まりの村さ」
あーーー、なるほど。NPCじゃねーの。
私だけの異世界 碧色 @chan828
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。私だけの異世界の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます