裏切り者と幻想郷

第1話

「何処なんでしょうかね…」

「考えてても無駄でしょうが…」

『ZERO式・一閃』

「丁度よく道が出来ましたね」

「こらー！何やって…は？」

「妖怪とはまた珍しい…それに、『賢者』ですか」

「…何者よ」

「何者？そうですね…私は『裏切り者』の高座 慎です」

「…2つ名持ちなのね」

「えぇ、さすが『賢者』」

「…」

「あぁ、そうでした…ここは何処でしょうか？」

「幻想郷…と言えば納得いくかしら」

「幻想郷ですか…なら、博麗一族が居るんですね」

「…えぇ」

「それと、先程のは『裂け目』とでも言うのでしょうか？」

「貴女の固有能力のようですが」

「…そうね、私は『境界を操る程度の能力』と言う能力を持っているのよ」

「なるほど…境界でしたか」

「…貴女にならって言うなら『英雄となる程度の能力』とでも言うのでしょうか？」

「…どう言う能力なのかしら」

「簡単ですよ、過去に居た英雄の力を引き出せる…ただそれだけ」

「そうでした、私の能力を正式名称で言えば『英雄王』です」

「『英雄王』…ね」

「どうされましたか？」

「私の知り合いに『英雄王』と言う2つ名持ちが居たのよ」

「そうでしたか」

「…確か名前が」

「海鈴とでも言うのでしょうか？」

「…ええ、そうね」

「彼は死にましたよ、そして私が、その能力を受け継ぎました」