英雄候補と能力値 ①
「よう、あんたが黒崎トウカか? 俺は柊ユウキ。 あんたと同じ転生者でサポーターだ。 はじめまして」
「へ……? あっ、もしかして女神様が後から来るって言ってた人?」
なんだとあのアマ。
選択させておいて、実はやっぱりほぼ強制だったんじゃねえか。
「あ……ああ、そうだ。 これからよろしくな、黒崎さん」
人付き合いってのは最初が肝心だ。
なので俺は出来るだけ威圧感を与えないよう笑顔で手を差し出すが……
「やっと来てくれたのね……。 正直もう来ないかと思ってた所よ……」
彼女は俺の手を握らず、から笑いを始めてしまった。
よっぽどこの時間が辛かったのだろう。
もっと早く声をかけてあげればよかった。
知り合いが居ると知ったら、野次馬も散らばったし。
「悪かったよ、俺もさっき来たばっかでさ。 見つけるのに時間かかった」
「そうなのね。 気にしなくて良いわ、聞いてた場所から少し離れたのは私だから。 ……それじゃあこれからよろしく、柊くん」
黒崎トウカはそう笑顔で言うとようやく握手をかわしてくれた。
それと同時にガイドブックから『ピコン』と通知のような変な音がなる。
「ああ、よろしく黒崎さん。 ……と、ちょっと待って。 ガイドブックがなんか……」
「ガイドブック? もしかしてそれが貴方の力なの?」
黒崎の問いに俺は『まあな』と相づちながら、一度閉じた本を開く。
開いたページは先程のタウンマップだ。
「ほーん、なるほど。 クエストクリアするとこうなるのか」
タウンマップに表示されていた『Main』の文字が『Clear』に変わっており、そこをタッチすると……
「ステータスガイドブック、召喚。 これちょっと持ってて」
「うん、わかったわ」
開いた本の空中に出現した『レベルアップ』という文字に俺はピンと来て、即座に『ステータスガイドブック』を召喚。
エリアガイドブックを黒崎に預け、開いてみた。
最初に開いたのは目次ページ。
俺の名前が載っている筈のページだ。
今や黒崎トウカの名も記されるようになったが。
恐らく合流したからだろう。
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