インターミッション2
・・・
しばらく川を下ると、森の中に沼があった。
泥を踏み、水草をかきわけて進む。
足に何かが当たった感触がして見ると、骨であった。それに気づき周囲を見回すと、泥に半ば埋もれるようにして、数々の骨が見え隠れしている。
咎人流しの川に流された者の死体が流れてきてここで溜まったのだ。
まるで咎人の墓場だ。
自分も、息を吹き返していなければ今ごろは泥中の白骨の仲間入りをしていたことだろう。
……そちらのほうがよかったのかもしれないが。
今後の展望はない。
腹が減っていた。季節は晩秋、森に入ればまだ果物や木の実があるだろう。
足元を魚が横切ったが、さすがにこの場で捕まえる気はしなかった。
町を探すべきだろうか? だがそれには躊躇してしまう。
もしも人間と出くわしたらどうしたらいいのか……。人間たちの中で暮らしていけるのか。
まだ考えが決まらない。
決まるまでは森の中で過ごそう。野外生活者、レンジャーの心得がある。
沼を抜けた。
木立のうしろに隠れていたモンスターが不意打ちをしかけてした。唸りをあげる棍棒を、間一髪身を沈めてかわした。
醜い、豚が直立したような風体の魔物であった。
魔物は一体だけではない。枝の上から、茂みの奥から、何体も姿を現した。
腰の剣を抜き放つ。
異邦の太陽が、刀身に反射して白く閃いた。
・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます